日本企業の大半の経営者は今、「経営課題は」と聞かれると、大企業や中堅中小といった経営規模にかかわりなく必ずイノベーションとグローバル化を挙げる。よほどのドメスティックカンパニーでもない限り、面白いほど皆同じ。この2点セットだ。従ってCIO(最高情報責任者)やIT部門の課題も「イノベーションに資するIT」と「グローバル化に資するIT」だ。 この「極言暴論」の読者ならご存知だと思うが、私はイノベーションに資するITを巡るIT部門の喜悲劇とその問題点を散々書いてきた。イノベーションに資するITとは、新規ビジネスの創出や既存のビジネスの変革のためのIT、平たく言えば、今よりも上手く儲けるためのシステムのこと。多くの企業で、頼りにならぬIT部門を無視して事業部門が“シャドーIT”に勤しむ、あの世界だ。 今や、このイノベーションに資するITの領域が企業のIT投資の主戦場。だから私も「このままではIT部