非神経細胞のわずかな異常で「認知障害」 2009年7月 2日 Infostand 統合失調症の主要な症状の一つである「認知障害」が、「グリア細胞」と呼ばれる神経細胞を取り巻く非神経細胞のわずかな異常によって引き起こされることを、自然科学研究機構・生理学研究所の研究チームが突き止めた。米国神経科学会誌『Journal of Neuroscience』7月1日号で発表した。 統合失調症は代表的な精神疾患で、100人に1人程度に見られる。認知障害はその主要症状の一つで、作業記憶、空間学習、感覚統合に起こる障害。直前のことをすぐ忘れる、話したり読んだりしても意味がつかめない、自分が何をしているかが分からなくなるといった症状を示す。 研究チームは、グリア細胞の一つの遺伝子だけに異常のあるマウスを使って研究。このマウスでは電気信号が神経細胞間を伝わる速さが正常なマウスの半分程度で、脳の電子顕微鏡観察で