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ブックマーク / book.asahi.com (29)

  • 「クリエイティブであれ」/「女性ジャズミュージシャンの社会学」書評 「創造性」にひそむ搾取を考える|好書好日

    ISBN: 9784763420275 発売⽇: 2023/02/27 サイズ: 19cm/309,30p 「クリエイティブであれ」 [著]アンジェラ・マクロビー/「女性ジャズミュージシャンの社会学」 [著]マリー・ビュスカート 憧れの業界で働いたら、低賃金に長時間労働。いわゆる「やりがい搾取」だが、日だけではなく西欧でも起きていた。 英国では1997年に誕生した新しい労働党(ニューレイバー)政権時に、「創造性」への関心が急激に高まった。『クリエイティブであれ』は、文化を創造経済に転換するという号令の下、若い女性がファッションや美容、音楽やメディアなどの「やりがいのある仕事」に向かう状況を描き出す。書によると、これらの仕事には短期雇用やフリーランスが多い。女性たちはうまくやっていこうと、起業家マインドで、自己PRや人脈作りに励み、ダイエットや外見にも気を使う。人びとが勝ち取ってきた福祉

    「クリエイティブであれ」/「女性ジャズミュージシャンの社会学」書評 「創造性」にひそむ搾取を考える|好書好日
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    shiraber 2023/05/20
  • 特別公開:坂本龍一さん3万字インタビュー前編「音楽の大きなテーマは、亡くなった者を悼むということ」|じんぶん堂

    記事:平凡社 坂龍一さん(2013年5月撮影) 撮影:榎佳嗣 書籍情報はこちら バッハの「マタイ受難曲」を聴くと、まさに「音楽に救われる」という感じがする ――東日大震災と原発事故はだれしもにとってたいへんショッキングなできごとだったと思います。坂さんはどうお過ごしでしたか。 坂龍一:うーん……、直後はやっぱり、音楽を聴く気になれませんでした。 ――音楽家の方でも、音楽が聴けなくなるんですか。 坂:ええ、(音楽家には)きっとそういう人は多いと思いますよ。それで、ずいぶんと経ってから……、ひと月ほど経ってからかな、やっと聴いてみようかなと思ったのは。 ――そのときに、慰めや励ましになったもの、あらためて立ちかえったものってありますか。 坂:それは、やっぱりどうしてもバッハの「マタイ受難曲」です。僕のまわりの音楽好きでも同じようにいう人は多いけれど、やっぱり特別な曲ですね。「また

    特別公開:坂本龍一さん3万字インタビュー前編「音楽の大きなテーマは、亡くなった者を悼むということ」|じんぶん堂
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    shiraber 2023/04/07
  • 今なぜ哲学者スピノザ? 関連本の刊行相次ぐ 國分功一郎さん新書・全集は異例の売れ行き|好書好日

    國分功一郎さん 社会問題先取り 人の根底探る 岩波書店によると、國分さんの新書は現在2刷3万2千部。スピノザは西洋哲学の歴史上、デカルトやライプニッツと並び17世紀の合理主義の哲学者とされる。デカルトが残した哲学の根原理をめぐる著作を徹底して読み込むことを通して、自らの思索を深めた「読む人」という視点で、スピノザの思想をたどる。スピノザ全集の初回配『3 エチカ』も3刷6千部と、学術書では異例の売れ行きを見せている。岩波文庫のスピノザの主要著作(畠中尚志訳)もこれを機に重版したという。 國分さんは「構想から10年かかって出版にこぎつけた」と新書執筆の苦労を振り返る。スピノザは、國分さんにとって自らの哲学の道しるべとなる存在だ。『暇と退屈の倫理学』(2011年)や『中動態の世界』(17年)などでその思想を手がかりにしてきた。「この10年で読みが深まり、ようやくスピノザの生涯と思想を一の線

    今なぜ哲学者スピノザ? 関連本の刊行相次ぐ 國分功一郎さん新書・全集は異例の売れ行き|好書好日
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    shiraber 2023/03/19
  • tofubeatsの知を拡張する愛読書 知らないより知ってたほうが、面白い確率が高い|好書好日

    tofubeatsさん tofubeats(とーふびーつ) 1990年生まれ神戸出身のラッパー/プロデューサー。中学時代から音楽活動を開始し、高校3年生で国内最大のテクノイベント「WIRE」に最年少で出演。代表曲は「朝が来るまで終わる事の無いダンスを」「水星 feat. オノマトペ大臣」など多数。2022年には中村佳穂らが参加した4年ぶりのフルアルバム「REFLECTION」、初の著書『トーフビーツの難聴日記』を発表する。 目標とするECDと小西康陽 ――アルバム「REFLECTION」と同日に出版される『トーフビーツの難聴日記』のゲラを読ませていただきました。tofubeatsさんは2015年にご自身の会社・HIHATT(ハイハット)を立ち上げましたが、創作以外にも、サンプリングのクリアランスや楽曲の権利処理、契約書の内容を弁護士さんに相談したりといろんな実務を並行されているん

    tofubeatsの知を拡張する愛読書 知らないより知ってたほうが、面白い確率が高い|好書好日
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    shiraber 2022/05/25
  • 差別社会 若者を絶望させた 見田宗介「まなざしの地獄」|好書好日

    写真・郭允 見田宗介(みた・むねすけ)社会学者 1937年生まれ。東京大学名誉教授。自由で持続可能な社会の可能性を理論的に提示した『現代社会の理論』や、真木悠介名義の『気流の鳴る音』などで知られる。人間の解放や幸福を希求する感性と透徹した論理性が共存する独特の著作で多くのファンを持つ。朝日新聞で80年代に連載した「論壇時評」も注目を集めた。 ちょっと変わった経緯をたどった論文です。元々は1973年に雑誌「展望」に掲載されて、少数の若い読者の強い共感だけがあるという状態が続いていました。表題作として単行になったのは35年後、2008年です。それを機に初めて広く読まれるようになりました。 1969年、市民4人を射殺した連続射殺犯として、19歳の少年「N・N」が逮捕されます。永山則夫さん(元死刑囚=97年執行)です。ぼくが衝撃を受けたのは71年、彼の手記『無知の涙』を読んだときでした。 N・N

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  • 労働は思索を深めるための起点 フリーランス書店員・久禮亮太さんが選ぶ「はたらく」を考える本|好書好日

    文:篠原諄也、写真:御堂義乗 久禮亮太(くれ・りょうた)フリーランス書店員 1975年、高知県出身。早稲田大学法学部中退。97年よりあゆみBOOKS早稲田店でアルバイト勤務。三省堂書店の契約社員勤務などを経て、2010年よりあゆみBOOKS小石川店店長。15年、フリーランス書店員として独立。18年、独立系書店「Pebbles Books(ペブルズ・ブックス)」をオープン。著書に『スリップの技法』(苦楽堂)。 Pebbles Books Twitter 久禮亮太さんが選んだ「はたらく」を考える 『波止場日記』(エリック・ホッファー[著]/田中淳[訳]、みすず書房) 『エリック・ホッファー自伝 構想された真実』(エリック・ホッファー[著]/中義彦[訳]、作品社) 『ブックストア』(リン・ティルマン[著]/宮家あゆみ[訳]、晶文社) 『偽詩人の世にも奇妙な栄光』(四元康祐、講談社) 『謙虚な

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    shiraber 2019/03/29
    ホッファー気になる。お店に見に行こう
  • 違う価値観と付き合うには? 高野寛が対談集で語った多様性の受け止め方|好書好日

    高野 寛(たかの・ひろし) 1964年静岡県生まれ。大阪芸術大学芸術学部卒業。86年高橋幸宏、鈴木慶一主催のオーディションに合格したことをきっかけにTHE BEATNIKSのツアーにギタリストとして参加。88年シングル「See You Again」でデビュー。90年「虹の都へ」91年「ベステンダンク」がヒット。95年~96年トーク番組『土曜ソリトン SIDE-B』(NHK教育テレビ、現・Eテレ)で司会を担当。ソロ活動だけでなく、ギタリスト、プロデューサーとして多くのプロジェクトに参加。2013年より京都精華大学ポピュラーカルチャー学部特任教員。現在は客員教授。18年10月10日、デビュー30周年を記念したベストアルバム「Spectra~30th All time & Collaboration Best~」を発表。10月20日よりデビュー30周年記念全国ライブツアーがスタート。 90年代の

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    shiraber 2018/11/01
  • 「エヴァ」でも注目、「死海文書」に世界はなぜ驚かされるのか? 日本語版刊行開始|好書好日

    文・北林のぶお 「死海文書」は、確かに存在している。旧約聖書の写を含む約2000年前の古文書が、「世紀の大発見」と言われてから約70年。解読作業の遅れから、オカルト的な興味の対象になったり、真偽そのものを疑う声も一部で上がった。ようやく現存する文書の公刊がほぼ終わり、日でも全12冊の刊行が始まった。ぷねうま舎の社長で編集を担当した中川和夫氏は、聖書を新たに読み解く試みについて「長年の夢を実現できた」と、静かに語る。 ――まず「死海文書とは何か」というところからお聞かせください。 1946年から47年にかけて、現在のヨルダン川西岸地区にある死海のほとりの洞くつ群から、ベドウィンの羊飼いの少年が偶然にも巻物を収めた壺を見つけた、という逸話が伝えられています。巻物は後に20世紀最大の考古学的発見と言われるのですが、ベドウィンから古物商、さらにはシリア正教会の大司教の手に渡り、数奇な運命をたど

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    shiraber 2018/08/01
  • 「60年代のリアル」書評 連帯呼ぶ「肉体感覚」の手ごたえ|好書好日

    60年代のリアル [著]佐藤信 著者は1988年生まれの大学院生。60年安保闘争や全共闘運動の話を聞いても「全く実感はわいてこない」。 著者は50年前の若者を見つめながら「同年代の者として、共感できるのか、できないのか」を問う。資料をかき分け、当時の若者を追体験した結果、彼/彼女らが求めていたものは、現代の若者とも共通する「肉体感覚」だったのではないかという結論に至る。 当時の学生のデモ隊は、スクラムを組み、シュプレヒコールをあげながらジグザグに走った。そこに加わった個人は、次第に隊列全体に溶け込んでいく。どこまでが自分で、どこからが他者なのかは不透明。心に宿った疎外感から解放され、実存のリアルな手ごたえが得られる。 ここに「肉体感覚」を通じた「連帯」への希求が生まれる。受験勉強で他人と競い合ってきたバラバラの個が、運動によって手を取り合い、一体感を獲得する。他者とつながり、感覚に訴えるこ

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    shiraber 2018/04/08
  • 「ロックフェスの社会学」書評 自己責任世代の不安に効く祭り|好書好日

    ロックフェスの社会学 個人化社会における祝祭をめぐって (叢書・現代社会のフロンティア) 著者:永井 純一 出版社:ミネルヴァ書房 ジャンル:社会・時事・政治・行政 ロックフェスの社会学―個人化社会における祝祭をめぐって [著]永井純一 「フェス」と呼ばれる音楽イベントが人気だ。日でも1997年に始まった「フジロック」以来、多くのフェスが開催されてきた。著者はこのフェスについて参与観察や聞き取りを併用しつつ考察した。 祭りは共同性を希求する個人がそれを回復する場となる。そう考える従来の祝祭論を超える性格をフェスは備えている。複数のアーティストが複数のステージで演奏するので観客は会場を移動しながら楽しむ。特定の音楽の求心力に基づくファンの共同体は刻々と更新されてゆくし、公演が終われば観客はばらばらに帰途につき、フェス全体の共同性も持続しない。 こうしたフェスの特性と現代社会の〈接続〉の在り

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    shiraber 2018/03/26
  • 「人類進化の謎を解き明かす」書評 運命を分けた集団形成の差|好書好日

    人類進化の謎を解き明かす [著]ロビン・ダンバー 気のおけない、互恵的な集団は、150人が限度である。この数は狩猟採集段階の共同体(クラン)から、新石器時代以後の村落、軍隊、地域教会、政治組織にいたるまで共通している。それがヒトの社会の基礎単位であるようで、ダンバー数として知られている。それを提唱したダンバーが、より全面的に人類進化の謎に迫ろうとしたのが、書である。 これまで考古学は、類人猿以来の進化の段階を、いわば「骨と石」に頼ってきた。それでは、認知的側面(心)や社会的側面における進化を見ることができない。ダンバーが提起したのは、二つの仮説である。第一に、「社会脳」の仮説。それは、社会の規模が大きく社会的行動が複雑になると、脳(新皮質)の容量が増大するということである。逆に、その容量から、集団の規模や認知能力を推測することができる。ダンバー数も、それらの相関性から見いだされたものだ。

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  • asahi.com(朝日新聞社):グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学』 斎藤環(上) - たいせつな本 - BOOK

    グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学』 斎藤環(上)[掲載]2008年6月1日■かつてない知的興奮 真骨頂は行間にあり 私が医学生だったころは、ちょうど「ニューアカ」ブームと重なっていて、日にもポストモダンと呼ばれる思想が一気に紹介されつつあった。ちょうど精神科を選ぶかどうか決めかねていた私の背中を押したのは、間違いなくそうした時代の雰囲気だった。 そうしたブームの中で、かつてヒッピーたちの導師の一人だった人類学者、グレゴリー・ベイトソンの再評価もなされていた。当時、精神分析に熱中していた私は、ほんのつまみいのつもりで『精神の生態学』を手に取り、ほとんど決定的なまでに影響を受けた。書は私が、ノートを取りながら熟読した数少ないのひとつである。 ベイトソンはコンテクスト(文脈)と関係性を精緻(せいち)に理論化した。現在、彼のアイデアとして唯一広く知られている「ダブルバインド」は、単なる

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    shiraber 2015/09/26
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2014010900003.html

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  • コラム別に読む : 統計学を知る 佐藤俊樹さんが選ぶ本 - 佐藤俊樹(東京大教授・社会学) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■どんな場合に使えないのか 統計は今、何度目かのブームにある。「最強」と謳(うた)うが30万部も売れ、一般の人向けのセミナーも好評のようだ。私も大学では1・2年生向けの統計を担当しているが、4、5年前から学生の数が急増して、教室と教員の手当てに毎年汗をかく。 「統計」の2文字には神秘的な魔力があるらしい。よく知らない人も、いやむしろ知らない人ほど変に持ち上げたりする。 ■ブームの切実さ しかし、今回のブームはもっと切実な中身があるようだ。今の私たちは、良い意味でも悪い意味でも、リスクとつきあって生きていかざるをえない。この数年で、そのことを痛いくらい経験させられた。 金融や市場の開拓だけでない。例えば「原発は絶対安全だ」と信じようとしたり、「減災よりも防災、防災よりも地震予知」と、リスクをリスクとして見ないようにしてきた。それがかえって大きな被害をうむことがある、と気づかされたのだ。そう

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  • コラム別に読む : 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 [著] 村上春樹 - 長薗安浩 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    shiraber 2013/05/01
  • 『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』書評 あるのは「今」だけ、あとは幻想|好書好日

    「死ぬのが怖い」とはどういうことか [著]前野隆司 僕は怖いけれど死ぬのが怖くないという人もいる。どうしたら怖くないかを哲学から脳科学まで学問を総動員した著者が理詰めで考えた結果を書で展開する。この著者は宗教も死後生の存在も前世も輪廻(りんね)も科学的証明がない以上信じないという立場で、かなりのページを割いて死後の世界の否定に費やす。 書の目的は著者の「生きているのが楽しくて仕方ない」ということを人に伝えるためだそうだ。死を恐れないためには生は幻想であることを認識する必要がある。生も死も大差ない、来、心もない、もともと何もない、人はすでに死んでいるのも同然。生きていること自体、勘違いで、人間は知情意のクオリアという幻想を持った生物で、人間には過去も未来もない。あるのは「今」だけ。あとは全て幻想。だから今しかイキイキと生きられない、と。 死は想像上の産物で、死の瞬間には主観的な今も死も

    『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』書評 あるのは「今」だけ、あとは幻想|好書好日
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    shiraber 2013/03/04
  • asahi.com(朝日新聞社):鼎談・読書について 筒井康隆さん×丸谷才一さん×大江健三郎さん - ひと・流行・話題 - BOOK

    鼎談・読書について 筒井康隆さん×丸谷才一さん×大江健三郎さん2011年2月2日(左から)筒井康隆、丸谷才一、大江健三郎の各氏=写真はいずれも麻生健撮影筒井康隆さん大江健三郎さん丸谷才一さん著者:筒井 康隆  出版社:朝日新聞出版 価格:¥ 1,365 筒井康隆さんが読書面で連載した『漂流――からへ』が朝日新聞出版からになりました。筒井さんと、同学年の大江健三郎さん、このほどをめぐる随筆集『星のあひびき』が出た丸谷才一さん。3人の作家による「読書について」の鼎談(ていだん)では、豊かで多彩な読書体験が語られました。(構成・大上朝美) ■面白いを飛び石伝いに 筒井 大江 僕は『漂流』推薦の言葉に「面白ヒトスジの大読書家」と書きました。筒井さんは子どもの時から面白いをつかまえる名人で、つかまえたら正面から熱中する。自分に根を下ろすよう大切にする。その後、一つ一つが書かれるものの柱に

  • 本の記事 : 「どこか」を探して 若松孝二監督を悼む - 宮台真司(社会学者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    今年9月、ベネチア国際映画祭に「千年の愉楽」で参加した若松孝二監督(右端)。高岡蒼佑(左端)ら出演者とレッドカーペットを歩いた 若松孝二監督の訃報(ふほう)。1人になる度に泣いた。40年前から父親的存在だった若松監督。偶像だった監督。「次は原発映画を撮るから力を貸してよ」と僕の手を握った監督。 中2で「理由なき暴行」を観(み)た。僕の通う中学は紛争真っ最中。大学紛争のバリケード内で上映されたと聞いて観に行った。衝撃を受けた。大学生と予備校生と旋盤工が「網走番外地」を歌いつつ江の島に行く。だが「ここではないどこか」に行こうとして「どこにも行けない」。暴走する3人。映画の中に僕自身を見た。 1990年代半ば監督にお目にかかった。客が十数名のトークイベント。僕は若松監督作品「ゆけゆけ二度目の処女」の挿入歌を暗唱した。「いったい君は何者だ」。以降は何度もトークイベントを御一緒し、お宅にお邪魔した。

    本の記事 : 「どこか」を探して 若松孝二監督を悼む - 宮台真司(社会学者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    shiraber 2012/10/25
    先生の心酔を思うとおれまで泣けてきた。御冥福を御祈りします
  • 村上春樹さんが寄稿 領土問題、文化への影響憂う - 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    作家の村上春樹さん(63)が、東アジアの領土をめぐる問題について、文化交流に影響を及ぼすことを憂慮するエッセーを朝日新聞に寄せた。村上さんは「国境を越えて魂が行き来する道筋」を塞いではならないと書いている。  日政府の尖閣諸島国有化で日中の対立が深刻化する中、北京市出版当局は今月17日、日人作家の作品など日関係書籍の出版について口頭で規制を指示。北京市内の大手書店で、日関係書籍が売り場から姿を消す事態になっていた。  エッセーはまず、この報道に触れ、ショックを感じていると明かす。この20年ほどで、東アジアの文化交流は豊かになっている。そうした文化圏の成熟が、尖閣や竹島をめぐる日中韓のあつれきで破壊されてしまうことを恐れている。  村上作品の人気は中国韓国台湾でも高く、東アジア文化圏の地道な交流を担ってきた当事者の一人。中国台湾で作品はほぼ全てが訳されており、簡体字と繁体字、両

  • 書評・最新書評 : 1968 上・下 [著]小熊英二  | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    shiraber 2012/08/17