見直しの時期にきた米国知財マネジメント −保守的な米国代理人の存在理由と米国代理人への指示形態の改善点− 第1回 米国代理人の対応(保守的,積極的)と自由度の定義 100年に1度といわれる世界的不況の中,日本企業の知財戦略も経済状況に応じた見直しが求められている。海外での知財戦略に注目すると,今後,確実に改善が必要とされる点の一つとして,弁護士や弁理士(代理人)の効果的な活用が挙げられる。特に,海外代理人の費用管理は,きわめて重要な課題である。一般的に日本企業は国内代理人への費用の支払いと比較して,海外代理人に対しては寛容な支払いを行ってきているといわれるからだ。 そこで,米国特許事務所に勤務し,米国で知的財産制度を研究する一方,米国代理人の費用削減,業務改善など,実務上の問題も研究している弁理士の吉田哲氏に“米国代理人の効果的な活用法”として,実務における業務改善のポイントについ