食品卸の伊藤忠食品は、これまで日本でこなしてきた単純な事務処理を海外に業務委託し、抜本的なコスト削減を進めている。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)と呼ばれるものだ。なかでも「アセアンBPO」に意欲的である。 先進企業は既に中国の大連など、日本語入力が可能な人材を数多く確保できる地域にBPO目的で進出している。伊藤忠食品もその1社だ。2008年12月と早い段階から、卸業界の先陣を切って委託を開始した。3000社ある仕入れ先向けの伝票入力を、大連に拠点を構えるインフォデリバ(東京都港区)にBPOしてきた。 属人化していた業務をマニュアルに 伊藤忠食品と取引する食品会社はそれぞれ個別に伝票を用意しており、フォーマットも処理ルールもバラバラで、業務が属人化していた。そこで伊藤忠食品はこの部分を丹念にひも解いてマニュアルに落とし、誰にでも理解できるレベルまで簡素化してから、業務を大連に