今回の掲載でこのコラムは第400回になった。お読みいただいている皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げたい。ネタ切れの恐怖と闘いながら8年くらい続けてきたわけだが、この先いつまで続けられるかは、現在58歳の自分にも正直わからない。 節目に到達した今回は、中高年の会社員のかなりの数にとって実に重いテーマである「役職定年」を取り上げたい。 役職定年というのは、企業の従業員が一定の年齢に達すると自動的にラインの管理職から外される制度のことであり、それに伴って給与水準が何割か削減されるのが通例である。 人事院の調査によると、大手では1980年代以前から導入した企業もあるが、①おおむね1980年代から行われた55歳定年制から60歳定年制への移行に際して、主に「組織の新陳代謝・活性化の維持」「人件費の増加の抑制」などの狙いで導入されたケースと、②90年代以降に「職員構成の高齢化に伴うポスト不足の解消」