社内のテックトークで紹介しました。
ネットのアングラから生まれた「イーアック」 前回記事〈「AGI」は、人類を凌駕して「生存リスク」になりえるか…「OpenAI騒動」の背景にあった世界的な懸念〉で扱ったOpenAIのお家騒動では、AI規制派とAI推進派の対立がその理由として報じられ、最終的には推進派の声が上回った形で決着した。だがOpenAIの社外に目をやれば権勢を伸ばしているのは、むしろAI規制派である効果的利他主義の支持者たちではないか。それが前回の趣旨だった。 対して今回は、推進派として報じられた、シリコンバレーのAI開発現場から湧き上がった通称「e/acc(イーアック)」、「効果的加速主義」と呼ばれる動きについて触れてみたい。 AI規制派の効果的利他主義は、英語ではEffective Altruismと表記され「EA」と略されることが多い。対してAI推進派の効果的加速主義はeffective acceleration
ユーザーが問いかけた質問に対してほぼ的確な答えを生成できる対話型AI、ChatGPTが話題だ。人間の使うことばとは何が違うのか。どう使いこなせばいいのか。オノマトペや「記号接地」をキーワードに、今井むつみ慶應義塾大学教授が語る。 (『中央公論』2023年7月号より抜粋) 赤ちゃんに易しく外国人に難しいことば ──子どもはことばをいかに覚えるのかを研究する今井さんですが、今回はAIの言語学習との比較などを通して、両者の違いについて伺います。まず、最新刊『言語の本質』では、日本語を話す人はオノマトペを言語習得の足場とするとのことでしたが、どういうことなのでしょうか。 英語は日本語のようにオノマトペが体系化されていませんが、だからといって英語が音と意味のつながりが薄い言語というわけではありません。英語には音の感触が織り込まれた動詞が多いんです。例えばtickle(くすぐる)。語感に日本語でいう「
いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 実に民主主義的な状況 SNSの発達がわたしたちの生活を変えたことのひとつに、だれかに「要求」をされたりしたりする機会が増えた、というのがある。 フォロワーやクラスタによっても異なるかもしれないが、たとえばわたしが朝起きてネットを開いて見てみると、必ずと言っていいほど、どこかのだれかがなにかを訴えている。それは性差別的な制度に対する問題提起や実際にあっ
ドローンナビゲーター 編集部 ドローンナビゲーターは「ビジネスにドローンを活用したい方」向けの情報メディアです! ・ビジネスへの活用事例 ・ドローンスクールの情報 ・制度改正の情報 など、ドローンのビジネス活用に役立つあらゆる情報をお伝えします。 日本の空、ひいては日本の社会は今、大きな変革期を迎えているといえます。 なぜなら、街中をドローンが飛び交い国民生活に貢献する未来を実現するための法整備がかねてより進められ、ついに2022年12月5日にドローンの操縦ライセンス制度がスタートしたからです。 しかし、同制度詳細を正確に把握しようと多数の公的資料を読めば読むほどかえって混乱してしまう——そんな方は少なくないでしょう。 そこで当メディアでは、制度創設に向けた政府議論が煮詰まり始めた2021年から、改正航空法並びに政府分科会の資料計76ページをはじめ各種文書を丁寧に読み込み、2022年12月
奇妙な健忘 歴史上もっとも奇妙な健忘状態、その一つとして「スペイン風邪」を挙げたとしても異論は少ないだろう。鳥インフルエンザに起因するこのA型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)は、全世界でパンデミックを引き起こし、最も多い推定で1億人が死んだとされている。掛け値なしに人類史上、最も大量の死をもたらした災厄である。いかなる飢饉も天災も戦争も独裁政権も、スペイン風邪には及ばない。にもかかわらず、その経験は忘れられた。ここへ来てスペイン風邪関連の書籍が売れ行きを伸ばし、人々が急速に「思い出し」はじめている事実こそが、健忘の何よりの証左である。 A.W.クロスビー『史上最悪のインフルエンザ 忘れられたパンデミック』(みすず書房)は、最終章でこの忘却の奇妙さに焦点を当てている。 スペイン風邪はアメリカにおいても、20世紀のすべての戦争よりも多くの死者を、わずか一年でもたらした。例えばサミュエル・
iStock:NicoElNino We translated RadicaxChange’s original article “To Be or not to Be Hacked? The Future of Identity, Work and Democracy.” Into Japanese with the permission of Audrey Tang and Michael Zur of Yuval Noah Harari International Office. This is an abridged version of the whole conversation. The whole conversation is available as a YouTube video. イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏と、最先端のコロナ対策で一躍世界の注目
2020年に音楽活動50周年を迎えたブライアン・イーノは、多くの顔を使い分けながら新しい歴史を切り拓いてきた。70年代からポップ音楽にアートの前衛精神を持ち込み、近年最注目されているアンビエント・ミュージック=環境音楽の概念を確立。デヴィッド・ボウイのベルリン三部作に貢献し、プロデューサーとしてトーキング・ヘッズやU2などに携わり、映画/テレビ番組のスコアでも輝かしい功績を残してきたほか、インターネットの普及を牽引したWindows95の起動音や、iPhoneの自動音楽生成アプリ「Bloom」の制作などを通じて、科学やテクノロジーの領域にまで影響をもたらしている。リベラルな現代思想家としても知られるイーノは、パンデミックに見舞われた2020年に何を考え、どのような未来を思い描いているのか? ※この記事は2020年12月25日発売の『Rolling Stone JAPAN vol.13』に掲
新型コロナウイルスの問題はまだ先が見えないが、それでもパンデミック収束後の世界について様々な議論が始まっている。 経済学者のタイラー・コーエンが最近、World 2.0というニューノーマルの一覧表をブログに載せていた。多分に思いつきをただ列挙しただけというところもあるが、議論のとっかかりというか、変化するリアリティの大雑把な把握としてはなかなか良いと思うので訳出してみた。原文そのままだとよくわからないところもあるので、適当に意訳や補足を入れている。 世界1.0 世界2.0
つぎに宗教を別な点から見てみましょう。宗教には3つの要素があります。それは第一に崇拝という要素です。宗教には崇拝、すなわち拝むという観念や行為が入ってきます。宗教の要素の第二は教えです。「宗教」の「教」という字は「教え」という意味です。仏教とは仏の教えという意味であり、儒教とは孔子の教えであり、キリスト教とはイエスの教えであり、イスラム教とはムハマドの教えであります。教えが書き記されている書物を教典(経典)と呼んでいます。キリスト教には聖書、イスラム教にはコーラン(クルアーン)、仏教には大乗経典をはじめ二千以上経典、儒教には四書五経、ヒンドゥー教にはヴェーダをはじめとするいくつかの経典があります。宗教の教えの中心には倫理があります。倫理とは人間関係における規範ということが出来ます。ユダヤ教に「十戒」という教えがありますが、このうちの「父母を敬いなさい」という教えはキリスト教にも儒教にも仏教
ハフポスト日本版ニュースエディター。 公衆衛生、ジェンダー、調査報道が関心領域。masako.kinkozan@huffpost.com
アイザック・ニュートン卿は、自分が賢い 人間だと信じていた。微分積分学や重力理論 を発明(inventing)したのだから、金融投資(investing) ができるくらい賢いはずだよね?まぁとにかく、短く まとめると、1720年 に起こった南海泡沫事件という全世界 的な投機ブームで、彼は(現在の価値で)$4,600,000を失ったんだ。 後にニュートンはこう言った。 “私は天体の動きを計算することはできるが、 人々の狂気については計算できない” 彼のために勉強しよう これまで市場、制度、民主制全体は 何度もおかしくなってきた。— 群衆の狂気だ でも君が人間に失望していたときですら、 ハリケーンが起きれば、みんなで協力してきたし、 コミュニティは問題を解決してきた。人々はよりよい 世界のために戦ってきた。— 群衆の英知だ! しかしなぜ 群衆は狂気に向かったり 賢くなったり するのだろうか。
はじめに 2017年の終わりごろ、にわかに人々の耳目を驚かし、少しづつ人口に膾炙しはじめたバーチャルユーチューバ(VTuber)というものたちがいる。動画では、3Dあるいは2Dモデルのキャラクタが動き、企画やトークを行なっている。それらは、あらかじめ決められた演技を行うような3Dアニメーションとはあるていど異なっている。というのも、それらのキャラクタの動きは、演者の意図した動きから、不随意な動きまでもトラッキングすることで生成され、たとえば、ライブ放送においては、演者とキャラクタの動きのリアルタイムな同期が行われているからだ。それらはアニメーションにおけるフィクショナルキャラクタのようでもあり、また、Twitterやライブ放送でのオーディエンスと双方向的なコミュニケーションを行う様子からすると実在の人物のようでもある。 バーチャルということばにこと寄せて、実在しないが実質的に存在するような
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