事務所でコピーをとっていて、「トナー切れです」と画面に表示されると、粉状のものを補給しなければならない。これは実は粉状のインクなのだが、なぜ、インクなのにトナーというのか。 コピー機メーカーにきいてみた。 現在、広く使われている普通紙コピー機の原理は1938年に米国人のチェスター・カールソン氏が発明。同氏はもともと特許申請の書類をつくる仕事をしており、書類を何枚も書く作業を簡略化したいという発想から生み出した。その当時から、液状のインクではなくトナーと呼ばれる粉状のインクを使っていた。 レーザービームなどを照射して肉眼では見えない「電子の像」を感光体につくり、それにトナーを付着させることで目に見える像にして紙に定着させるのがコピー機の原理。インクが粉だったのは、感光体に付着させるのに静電気を利用するのだが、液体インクよりも帯電しやすい粉状が重宝だったからだ。 「この見えない電子の像を具現化