九州を走る最後のブルートレイン、「富士」と「はやぶさ」が3月14日を最後に廃止される。「富士」は東京=大分間を、「はやぶさ」は東京=熊本間を、17~18時間かけて走る寝台列車だ。 これにより、九州を走る寝台列車は全滅することになる。富士・はやぶさ引退については、たぶんあちこちのニュースサイト等でも記事になってるだろう。が、デイリーポータルZ的にも、何か書かなければいけないだろう。 というわけで僭越ながら私が九州在住のライターとして、 「はやぶさ」に乗るということはどういうことなのか、書きたいと思う。 (T・斎藤) チケットが取れない はやぶさに乗って酒盛りをしたかった。 内田百閒の有名な随筆に「阿房列車(あほうれっしゃ)」という作品がある。何も用事はないけど、列車に乗って旅に出る。旅に出ても用事はないから何もしないで帰ってくる。という、鉄道に乗ることそのものを楽しむ行為を書いたもの(現在の