NHKで放映された英国ドラマ『ヴィクトリア 愛に生きる』。 ヴィクトリア女王の結婚式は、目がくらむほど絢爛なロイヤルウエディングでした。 白く清楚なドレス、輝く宝石、贅を尽くしたケーキ、豪華な花束。 いかにも大英帝国の栄華が極まった映像ですが、本作では同時に別の一面も描かれておりました。 ヴィクトリアの夫となるアルバートは、ロンドンの下町で見かけた子供の惨めな様子に胸を痛め、ヴィクトリアにこう言います。 「きみはもっと庶民の暮らしを気に掛けるべきだ。4歳か5歳くらいの子供が、物売りをしているんだよ」 ヴィクトリアは治世への無関心を指摘されたように思ったのか、このアルバートの発言にムッとします。 アルバートは庶民の困窮を、ヴィクトリアの信任篤い首相メルバーン卿にも訴えます。 しかしメルバーンは、まったく関心を示そうとしません。 王族や貴族が豊かな暮らしを送る一方で、アルバートが指摘するように