4月から入学する日本の高校生は全員、地理(科目名は地理総合)を学ぶことになる。この50年ほど選択科目の1つだった地理が必履修科目になったと報じられているが、それ以前に地理が必履修科目だった時代にも商業高校などでは選択科目だったことを考えると、高校生全員が地理を学ぶ状況は日本初。だが、山の名前や世界の国の位置を覚える程度のことを必履修科目にする必要があるのか?と思う人もいるだろう。なぜ、今、地理なのか。 社会科系教科が大きく変わる 地理の必履修化以前に、そもそも、今回、高校の社会科系教科は大きく改訂されていることを押さえておきたい。日本の公教育の学習内容の大枠を示す学習指導要領はおおむね10年に一度改訂されているのだが、社会科では1994年度から実施された1989年の改訂がその次の改訂、実施以降も今回の実施に至るまで継続。社会科は地理歴史科、公民科の2つに分かれ、地理歴史科では世界史のみが必
![超地味な「地理」が高校の必修科目になったなぜ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/dbcd1e86acc9dc3076516f02ef973062c028c16a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2F4%2F1200w%2Fimg_543e8fdf44b263b3481d4f9668a65d6e1011477.jpg)