1984年に公開された映画『風の谷のナウシカ』。大地を覆った「腐海」や巨大な王蟲(オーム)など印象的な世界が描かれ、長年に渡って愛されている。その中でも記憶に残るのがラストシーン。このラストシーンに隠された秘密を、アニメ評論家の藤津亮太氏が紐解いた。※本記事では映画のラストシーンに触れています。 ◆◆◆ 映画『風の谷のナウシカ』のラストシーンについて、宮崎駿監督は公開当時に次のように語っている。「ラストでナウシカがよみがえるところ、あの場面にいまでもこだわっていまして、まだ終わった感じがしないんです」(※1)。宮崎監督は、あの“感動的”なクライマックスにどうしてこだわりを感じていたのか。そもそも映画『ナウシカ』のラストシーンはどうして成立したものなのか。