今まさに、この文章をパソコンに打ち込んでいる。 ブラインドタイピングで高速入力、デリートキーで大量削除、カーソルを合わせれば挿入なんてなんのその、入れ替えだって5秒とかからない。パソコンはいまや「書く」における必需品である。 だが小中学生の頃を振り返ると、小説はノートに手書きしていたと思う。ハリー・ポッターシリーズや宮部みゆきさんの『ブレイブストーリー』に憧れ、浮かされたようにユニアルファゲルを走らせていた。想定では単行本上下巻相当である。 その向こう見ずな挑戦には関心するが、結局は、主人公が異世界に飛ばされたあたりで力尽きた。 こんなのほとんど序盤じゃないか! だがそれは話が思い浮かばずというのではなく、ただ単に「文字を記す」という物理的な作業に疲れてしまったんだと思う。こうしてパソコンが一家に、いや一人に一台持てる時代だからこそ、書きたい欲求を満たし続けることができるのだろう。 じゃあ