ファシストだけど戦わないという「第3の道」 1929年10月、ウォールストリートで起こった株価の大暴落は、後に世界的な大恐慌を巻き起こしました。 アメリカやイギリスなど各国が自国の保護を優先して通貨や自国産業の保護を優先しブロック経済に走った結果、植民地を多く持たないドイツ・イタリア・日本といった国は全体主義を推し進め暴力的手段を用いて経済危機から脱出を図ろうとし、結果的に第2次世界大戦が勃発することになったのでした。 さて、ヨーロッパの中でもとりわけ弱小国のポルトガルは、イギリスやフランスのような植民地経済圏もない上、軍事力もないのでドイツや日本のような暴力的手段も取れない。 それでも、何としてでも生き残らねばならない。 ポルトガルの独裁者サラザールは、ファシズムを取り入れつつも決して戦わないという、「第3の道」を取って激動の時代の生き残りを図ったのでした。 1. 19世紀のポルトガル社