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ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (15)

  • 「安倍を支持する3割」についての想像 - 紙屋研究所 *1 『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』のp.285-289。「僕はオリンピックの後に大きな問題が出てくるんじゃないかなと思います」(松尾)「一番怖いのは東京オリンピックのあとだ」(ブレイディ)「このままでは五輪後地獄だぞ」(北田)。

    「安倍さんを支持する人ってどういう部分が良いと思ってるの?」というはてな匿名ダイアリーの記事があった。 安倍さんを支持する人ってどういう部分が良いと思ってるの? - はてな匿名ダイアリー 安倍政権の支持率は、どんな不祥事が出てきても3割くらいから下がらない(まあ「7割くらいは支持していない」とも言えるが)。 この3割ってどんな層なのだろうか。 勝手に想像してみる。 一つは「経済」(経済政策) この間、福岡市で印刷会社に勤めている、娘の保育園時代のパパ友・Aさんと酒を飲む機会があったんだけど、彼の感覚では「不動産、建設がホントに景気いいですよね〜」。 これは景気動向調査のようなデータとも一致するが、細かい数ヶ月単位の数字データというより、ざっくりとした景気の感覚。例えば年間の展望について建設は「首都圏再開発事業などで好況が続く見通し」、不動産は「首都圏を中心としたオフィスの大量供給が見込まれ

    「安倍を支持する3割」についての想像 - 紙屋研究所 *1 『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』のp.285-289。「僕はオリンピックの後に大きな問題が出てくるんじゃないかなと思います」(松尾)「一番怖いのは東京オリンピックのあとだ」(ブレイディ)「このままでは五輪後地獄だぞ」(北田)。
  • 『史群アル仙のメンタルチップス 不安障害とADHDの歩き方』 - 紙屋研究所

    タイトルにある通り、不安障害、ADHDを抱えた作者の自伝であり、「メンタルチップス」、つまりメンタルの面でのちょっとした(自分流)対処法である。 うまく学校や社会になじめず、生活が破綻し、死ぬ直前まで追い詰められる様は『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』の永田カビを思い出す。 ただ、永田カビの方を読んだときは永田の苦悩の天よりも、性が自分を解放するカギになっていて、「フーゾク」(この場合「レズ風俗」)がその解放の契機となる可能性について驚かされた。そしてそれは説得力があった。 史群アル仙(しむれ・あるせん)の書については、もっとまっすぐに、障害をもった自分がどう社会に「適応」するのか、という点が読む者に伝わってくる。 ぼくが興味を持ったのは、第29話「ADHD、働く」である。 ADHDと診断されても、「何か変わるワケではありません」(書p.129)。つまり、そのまま職場がその診断を

    『史群アル仙のメンタルチップス 不安障害とADHDの歩き方』 - 紙屋研究所
  • 「ジャンプお色気騒動」に思う - 紙屋研究所

    これな。 ジャンプお色気♡騒動。【法律家版】 - Togetterまとめ ぼくもエロマンガを読み、そして「楽しんで」いるし、(エロマンガとはとても分類できないが)今回槍玉にあげられた『ゆらぎ荘の幽奈さん』は、小4の娘も愛読している。 「そのまま真似る」ということはない まず、「子どもが性暴力マンガを読んで、性暴力をそのまま真似る」かどうかという問題(「そのまま」がミソ)。ここにはそう難しい問題はない。 感覚的には、小学校に入ってからは、だいたい虚構と現実の区別はつくだろう、ある程度わかってないやつがいたとしても、小3〜小4くらいには大丈夫だろ、という感じ。 わかっていなくて、『ゆらぎ荘の幽奈さん』読んで、おっぱい揉むのはキモチよさそうなので、やってしまいそうな男の子とかいるかもしれん。 そういうコは、「有害マンガ」をとりあげるんじゃなくて、性暴力はいけないということを実際に教えたほうがよい

    「ジャンプお色気騒動」に思う - 紙屋研究所
  • 谷口ジローの死 - 紙屋研究所

    谷口ジローが亡くなった。 特に感慨はない、と思っていたが、自分がこの14年間のブログ人生(?)で書いたものを振り返って、結構とりあげていることに気づいた。 『神々の山嶺』 「山の量感」と「登山という近代個人の登場」を描き切った『神々の山嶺』は中でもすごい作品であった。 谷口ジロー・夢枕獏『神々の山嶺』 - 紙屋研究所 『孤独のグルメ』 ぼくの(『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』)の中でも紹介させてもらった『孤独のグルメ』は、今でもなんども読む。 「関係をべている」と指摘した関川夏央の反『美味しんぼ』レビューを紹介しながら、『孤独のグルメ』こそアンチグルメであると書いた、ぼくの『孤独のグルメ』評。 を読みながら事をするという「悪風」は、娘に文化的に遺伝してしまった。 『孤独のグルメ』 - 紙屋研究所 『犬を飼う』 動物を飼うことについてほとんど思い入れのないぼくであるが、飼っていた

    谷口ジローの死 - 紙屋研究所
  • 山本直樹『レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ』 - 紙屋研究所

    連合赤軍事件をモデルにした実録『レッド』は、第二部も大詰めである。 山直樹『レッド』1巻 - 紙屋研究所 最初の書評でも書いたが、『レッド』は実録に徹している。どんな小さなセリフやしぐさも手記や記録に根拠を求めている。 追い詰められた集団が狂気の暴走を続け、密室的な内部で凄惨な暴力をふるう「興奮」は、もともと山が『ビリーバーズ』で虚構として描こうとして果たせなかったものだ。 虚構を脱して愚直なまでにドキュメンタリーの手法に徹したのが『レッド』である。 山の創作史的には、(ぼくに言わせてもらえば)『ビリーバーズ』の破産の上に、築かれたのが『レッド』なのだ。 山直樹『ビリーバーズ』 - 紙屋研究所 さっき(2017年3月16日)ぼくがNHK「浦沢直樹の漫勉」で山直樹の特集を見たとき、『レッド』を軸に作画の解説がされていたのだが、山のタッチを“どこか突き放したようなタッチ”だという趣

    山本直樹『レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ』 - 紙屋研究所
  • 鈴木大介『最貧困女子』 - 紙屋研究所

    九州の地方都市住まいのぼく。 家の近くにある公園が、階上にあるぼくの家から見える。 つれあいによれば、その公衆トイレの前で深夜に20代くらいの女性が立って、男性といっしょにトイレに入り、一定時間たつとまた別の男性とトイレに入っていくのが見えた。 あれは買売春の現場ではなかろうか。 書に出てくる「最貧困女子」とは、裏表紙にその定義が簡潔に書いてある。 働く単身女性の3分の1が年収114万円未満。中でも10〜20代女性を特に「貧困女子」と呼んでいる。しかし、さらに目も当てられないような地獄でもがき苦しむ女性たちがいる。それが、家族・地域・制度(社会保障制度(という三つの縁をなくし、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかない「最貧困女子」だ。 ロジカルなルポ 読んで思ったことは二つ。 一つは、とてもロジカルなルポだということ。どういう意味か。 このはとても「自己責任」論を強く意識して

    鈴木大介『最貧困女子』 - 紙屋研究所
  • 松竹伸幸『慰安婦問題をこれで終わらせる。』 - 紙屋研究所

    このはひとことでいえば、慰安婦問題についての左翼による韓国批判である。日の右派がやる韓国批判では何の新鮮味もないだろうが、左翼、しかも「日帝国主義の植民地支配」と厳しく闘争してきた日共産党の元政策スタッフ(現在は退職している)がやる韓国批判なのだから、一度はのぞいてみたいと思わない方がおかしい。 シロウトの日国民にとっての慰安婦問題 いわゆる「慰安婦」問題は、「難しい」というのが第一印象である。定義やカテゴライズをよく知らないと発言できないような雰囲気がある。 たとえば 政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった という命題は正しいだろうか、正しくないだろうか。 「正しくない」が正解である。 なぜなら、インドネシアのジャワ島でのいわゆるスマラン事件中国・桂林での事件では、日側の公文書はなかったが、外国側の公文書(バタビア臨

    松竹伸幸『慰安婦問題をこれで終わらせる。』 - 紙屋研究所
  • 政治の勉強はどうやったらいいの? への答え - 紙屋研究所

    はてな匿名ダイアリーにあった、この記事。 ぼくは「政治」に関する知識が全く無い。どうやって勉強すればいいんだろうか。 この人がどういう動機でこんなことを言っているのかわからんのだが、いっせい地方選前後にこのエントリがあることから察すると、選挙で騒がしくなってきてまわりの友人や同僚と選挙や政治の話になったが、あまり実のある話ができなくてコンプレックスを感じた……というあたりだろうか。 何も具体的なテーマに関心を持っている様子がなくて、 今になって、政治について自分の意見のひとつも言えないといかん、とやる気を出した。 と書くあたりのそんな臭いを感じる。 こういう人はどうしたらいいのか。 たぶん「赤旗」、それも日曜版を読むといいんじゃないかと思う。 共感する必要はまったくない。もちろん共感してもいいが、「何言ってんだこいつ」という反感でもまったく構わない。 要は、煽られるといいからだ。自分の中に

    政治の勉強はどうやったらいいの? への答え - 紙屋研究所
  • 沢田健太『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』 - 紙屋研究所

    誰のために書かれたか このは一体だれに向けて書かれているのか。言い換えれば、誰を読者として想定しているのか。 就活というのは山のようにあるけども、多くは学生の側の自己啓発を促す「対策」だ。そうでないものは、採用側=企業のホンネを書いたものだろう。 大学のキャリアセンター――昔風にいえば「就職課」――はその中間に位置する。会社側も学生側もどちらの立場も俯瞰できるといえば聞こえはいいが、「どっちつかず」ともいえる。中途半端なのだ。 大学教育問題、すなわち労働力養成上の困難や課題を書いたもののようにも思えるが、そうでもない。もちろんその要素がないとは言わないが、書いたのは民間企業からキャリアセンターに転職した人間であり、労働力商品の「売り込み・営業サポート」の方に力は発揮できても、労働力商品の「開発」(養成)にはそれほど明るくない。もちろん「営業」からみた「開発」のことは一つの視点が得ら

    沢田健太『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』 - 紙屋研究所
  • 宇仁田ゆみ『うさぎドロップ』 - 紙屋研究所

    ※ネタバレがありますので注意してください。 2011年12月5日付の「民医連新聞」のコーナー「この一冊を読んでみた」で宇仁田ゆみ『うさぎドロップ』(祥伝社)を紹介した。 『うさぎドロップ』は、祖父の葬儀にいった30の独身男・ダイキチが、祖父の子であるというりんを引き取って育てる話である。6歳で引き取られたりんが高校生になってからのいわば「第二部」的な話が、5巻からはじまり、9巻で完結する。 「育ての親と結婚する」という結論への嫌悪 『うさぎドロップ』の結末が気持ち悪いというのがつれあいの感想である。つれあいは、このマンガについて常々この種の結論が出されることを「最悪」と評していた。なぜなら、りんが父親役であるダイキチのことを好きになってしまい、ダイキチも結局その気持ちを受け入れて結婚を約束してしまうからだ。 つれあいとの会話。 「りんは、一度家族をすべて失い、その後ダイキチに引き取られなが

    宇仁田ゆみ『うさぎドロップ』 - 紙屋研究所
  • 仕事が遅いとは期限内にできるかどうかという問題 - 紙屋研究所

    仕事が遅い人の共通項」という記事に注目が集まった。 仕事が遅い人の共通項 | Decent Point 要約すれば、仕事が遅い人は、 素直でない、言われたとおりにやることができない すぐにやれない。今すべきことが分かっていない 人に聞くことができない。状況を伝えることができない。コミュニケーションできてない。 http://tirrano.com/?p=1543 ということだそうである。 これは「仕事ができない」と同じことだろうか。 「仕事が遅い」。 仕事が遅い……ねえ。 いろいろ考えてみたんだけど、同じような新人2人に、同じ仕事を与えてその時間差を競うというような状況だろうか。 しかし、仕事というものはたいていのものに期限がある。その期限内にできればいいものであって、その範囲であるなら遅いか早いかはどうでもいいことだ。なるほど企業間では持っている技術や体制の違いによって一日でも納期が早

    仕事が遅いとは期限内にできるかどうかという問題 - 紙屋研究所
  • 逢坂みえこ『たまちゃんハウス』 - 紙屋研究所

    週刊アスキーで紹介した落語マンガ 「週刊アスキー」9月27日号の「私のハマった3冊」で落語マンガ3冊を紹介しました。ウェブでこのコーナーは紹介されていくという話ですので、紹介しても構わないんじゃないかなーと思い、遠慮なく3冊をバラします。 (追記:紹介されました。2011年12月7日確認) 【私のハマった3冊】興味がなかった人でも楽しめる知的でツヤのある落語漫画 一つは、古谷三敏の『寄席芸人伝』。まあこれはいいですよね。以前紹介したこともあるので、そのURLをつけときます。基的に落語漫画というのは、この作品を超えたかどうか、それくらい引き離されたか、というふうにはかっていいだろうと思います。 古谷三敏『寄席芸人伝』 - 紙屋研究所 二つ目は、『昭和元禄 落語心中』。元ヤクザというかチンピラだった主人公が、受刑中にきいた慰問落語ですっかり名人・有楽亭八雲に惚れ込んでしまい、弟子入りするとい

    逢坂みえこ『たまちゃんハウス』 - 紙屋研究所
  • 井上純一『中国嫁日記』 - 紙屋研究所

    週刊「プレイボーイ」の2011年9月19日号の「この漫画がパネェ!!」のコーナーで井上純一『中国嫁日記』のレビューを書いた。 『中国嫁日記』は、40代オタク男・井上が20代の美人(と思われる)中国人女性・月(ゆえ)と結婚し、その結婚生活を4コマ漫画にしたものである。ブログで人気を博したので書籍化されたものだ。 なんでウケてるのかってことなんだけど、結婚という異文化衝突・交流があってだな……という要素はもちろんある。特に国際結婚だから、その異文化衝突という側面が極端なまでに強調されている。 味噌汁に香菜を入れてものすごく生臭くなるけど、月は当然という顔をしているとか、肉じゃがセットを「炒め物」と勘違いして炒めたがものすごくうまかったとかそういうやつ。 しかし、実際、上のように書いてみてもわかるとおり、その異文化衝突の事実自体はそんな「大人気ブログ」になるような中身でもない。むしろ「はあ……

    井上純一『中国嫁日記』 - 紙屋研究所
  • 再び、尾田栄一郎『ONE PIECE』 - 紙屋研究所

    『ONE PIECE』について書いたらSBMやコメントがどっときた。こ、これが炎上というやつですか。お前ら、ホント『ONE PIECE』好きなのなw このブログのコメントもSBMのコメントも、あとツイッターでのコメントもいろいろ見させてもらった。まあ、もうあんまし何度もエントリを重ねるつもりはないけど、もう1回だけ考えたことを書いておこうか。 「バトルマンガ」である以上、バトルをなぜスポーツとして描ききらないかという疑問 もともとぼくが海賊冒険のマンガ『ONE PIECE』に違和感をもったのは、このマンガの主要な側面を「戦闘(バトル)マンガ」だととらえたからだ。バトルとは勝敗という形での優劣の決定だから、質的にスポーツであり、スポーツである以上、勝つための努力があり、そうであれば科学的な努力というものが見せられて然るべきだという気持ちがぼくにはあったのだ。 言うまでもなくスポーツマンガと

    再び、尾田栄一郎『ONE PIECE』 - 紙屋研究所
  • 尾田栄一郎『ONE PIECE』 - 紙屋研究所

    『ONE PIECE』は言うまでもなく最も売れているマンガである。まわりに「何のマンガが好き?」と聞いてもたいていのやつは『ONE PIECE』と答える。 そもそもぼくは『ONE PIECE』と相性がよくない。人気マンガというので数年前に読み始めたのだが、途中で挫折した。はっきり言って全然面白くないからである。「それでもまあ人気マンガだから」と今回再度がんばったのだが、27巻でくじけた。 少年マンガの感性についていけなくなっただけか 少年マンガだからお前の感性がついてけなくなったのだろう、とお前ら言うつもりだろう。まあ半分くらいはそうなんだろうよ。でもなあ、『NARUTO』や『銀魂』はそれなりに楽しく読めるんだよ。『バクマン。』や『いぬまるだしっ』はかなり愉快に読める。なのに、『ONE PIECE』は……ちっとも面白くならないのである。ぼくにとって。 「50巻くらいまで読まんと真価はわから

    尾田栄一郎『ONE PIECE』 - 紙屋研究所
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