2010年04月25日00:54 カテゴリ本科学/文化 ヒュームの問題 社会主義が崩壊してから20年以上たっても、それがなぜ崩壊したのかを理解している人は少ない。それは計画経済が「非効率」だったからではない。1950年代までは社会主義のほうが効率的で、サミュエルソンはソ連の成長率がアメリカを抜くと予想していた。いまだにインフレ目標などの「社会工学」を信じる素人がネット上に多いのも、理科系の人には社会をメカニカルに理解する傾向が強いためだろう。資本主義がすぐれているのは、それが効率的だからではなく(ハイエクの意味で)自由だからである。この自由とは、小飼弾氏が拙著を評した言葉を使えば、「自由が必要なのは、それを放棄できるほど我々は賢くないからだ」。新しい古典派の想定しているように未来を予知できる「代表的家計」があれば、自由は必要ない。 本書は、この本質的無知の問題を、いろいろな分野の専門家のシ