ノルウェーの首都オスロで、異人種を見せ物にした100年前の「人間動物園」を芸術活動として再現する計画が進められている。忘れられた差別の歴史を示し議論を喚起する狙いだが、反人種差別の団体はかえって差別を助長すると反発、波紋を広げている。 ノルウェー憲法制定200周年の記念行事の一環。主催者によると、政府支援も含め120万クローネ(約2千万円)を調達。動物園で衆目にさらされる有志も公募し、1日までに世界中から80人以上を確保した。5月15日から8月末まで開く計画という。 オスロでは1914年、アフリカ系の80人が「コンゴの村」と名付けた区画に住まわされ、当時のノルウェー人口の3分の2が見物に訪れたとされる。今回の芸術活動に対し、英紙ガーディアンは「非人間的な見せ物の再現に芸術的価値があるのか」との批判を掲載した。(共同)