日本有数の宝石サンゴの産地である高知県で、サンゴ漁業者が5年で倍以上に増えた。中国人が宝飾品を買い求め、サンゴの原木が高騰しているからだ。サラリーマンからの転職組らも顔をほころばせるが、資源保護の問題も浮上している。 高知県香南市の漁港に11月10日朝、県内外から宝石サンゴの漁師や卸売業者ら50人以上が集まり、日本珊瑚(さんご)商工協同組合(高知市)の「珊瑚原木入札会」の競りが始まった。 卸売業者らが原木を手に取って色や形を品定めし、入札金額を書いた「投げ帳」と呼ばれる帳面を開札人に次々と投げる。 「53匁(もんめ、約200グラム) 103万3千円!」「109匁(約410グラム) 343万8千円!」。開札人の声が響き、落札者が次々決まっていく。 同県大月町の漁師、中川順一さん(44)は約4キロの赤サンゴを出品。15分ほどで計910万円の値がつき、「今日は相場がよかった。思っていたより高く買