フツ族は多いが、ツチ族が上である。この短いフレーズの中には、その結果何百万人も被災した長年に渡る紛争の本質がある。この戦争には、今日、ルワンダ、ウガンダ、ブルンジ及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)の4ヶ国が直接巻き込まれているが、更にアンゴラ、ジンバブエ、ナミビアも活発に参加している。 その原因は、非常に簡単である。ルアンダとブルンジ両国の独立獲得後、少なくとも5世紀の間両アフリカ民族間に存在したある意味で唯一の「社会合意」が破られた。 ■遊牧民と土地所有者の共生 15世紀末、現ルワンダ領土において、フツ族土地所有者の初期国家が生まれた。16世紀、北方からこの地域に、背の高い遊牧民のツチ族が侵入した(ウガンダにおいて、彼らは、各々ヒマ族とイル族と呼ばれ、コンゴにおいて、ツチ族は、バニヤムレンゲ族と称され、フツ族は事実上そこには住んでいない。)。ルワンダにおいて、ツチ族は、成功をふいにした。