輸入される食品が安くなるというメリットが強調されている。米、麦など重要5品目以外にもオレンジやリンゴなど関税が撤廃される品目が公表され、消費者は多くのメリットを受けるという報道と、農業は多くの打撃を受けるという報道が錯綜している。 しかし、農産物については、品目数でいうと、24%がすでに税率ゼロ、48%が20%以下となっており、これらの関税がゼロになっても、それほどのメリットはない。また、オレンジなどは過去に輸入制限を撤廃した時に、それなりの対策を講じているほか、国内の農業界は、デコポンなど輸入品と差別化した商品を開発しており、脅威を感じる農家はほとんどいないだろう。同じサクランボでも、国産とアメリカ産は全く別の商品だといってよい。 他方、牛肉を除き、重要5品目には、100%以上の関税がかかっている。これらの農産物は、品目数では9%と少ないが、米、小麦、砂糖、バター、脱脂粉乳など、食生活に