このシリーズの第1弾では、SIMカードの歴史を取り上げました。今回は本題に入って、セキュリティについてお話ししましょう。SIMカードで初めて発見された脆弱性の1つは「クローンを作られる可能性がある」というものです。ここでいうクローンの作成とは、SIMカードの内容を読み取り、別のSIMカードのメモリに書き込むという意味です。ハードウェアの観点で見れば、SIMカードは単なるスマートカードにすぎず、似たようなものはどこででも手に入り、チップ程度の値段で買えます。そう考えると、クローンを作成できるのも至極当然です。 複数のSIMカードを使える電話がSFの話だったころ、複数のSIMカードを必要とする人々はクローンを作成することでこの問題を解決していました。SIMカード入れ替えの手間を省くために登場したのが、MultiSIMと呼ばれる方式です。MultiSIMは基本的に拡張メモリを搭載したスマートカー
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