◎前号までのあらすじ 株主総会を終え、ジェピーの社長、財部益夫は達也を社長室に呼んだ。益夫は、ジェピーを立て直すため、達也に取締役になってくれるよう頼んだ。会長のふみ、そして娘の早百合も同じ気持ちだった。 益夫の唐突な申し出に悩んだ達也は、何日も迷った挙句、恩師である宇佐見に電話をかけて相談することにした。 ふがいない社長、粉飾だけでなく横領まではたらいた間中…。達也はそんな経営者たちがダメにした会社の尻ぬぐいをするのは真っ平だと思っていた。 電話の向こうの宇佐見の言葉は、達也には思いもよらない洞察力に満ちたものだった。 「さっき先生は、策士が策におぼれたとおっしゃいましたよね」 達也が聞いた。 「その通り。有能な経営者は会計を経営戦略の柱と位置づけている。ところが、間中は会計の本質を理解していなかった。 それと、間中が失敗したもうひとつの理由は、三沢君という有能な技術者を遠ざけてしまった
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