ガン細胞だけに作用することで、副作用を大幅に軽減する──。ガンの患者にとっては福音となりそうなこんな抗ガン剤の開発に挑んでいる社員30人ほどの会社がある。創薬ベンチャーの「ナノキャリア」(千葉県柏市)だ。 ガンはDNA(デオキシリボ核酸)の突然変異によって細胞の増殖に対する制御が失われ、細胞が無制限に増殖する病気。細胞が増殖する際に大量の栄養が消費されて体が衰弱したり、臓器の細胞がガン細胞に置き換わって機能不全に陥ったりする。その結果、生命が脅かされる。 既存の抗ガン剤のほとんどは、ガン細胞の増殖を阻止することでガンの進行を食い止める。ただし、ガン細胞だけでなく正常な細胞にも作用して細胞の置き換えを阻止するので、髪の毛が抜けたり、ひどい吐き気を催したりといった副作用を引き起こす。 もしガン細胞だけを狙い撃ちできれば、副作用を抑制して薬効を高めることが可能だ。ナノキャリアはそうした抗ガン剤の
![“夢”の新薬を開発する研究者集団:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)