中国の高速鉄道をめぐって、中国と日本で紛争が起こる可能性が高まっている。 日本の川崎重工やドイツのシーメンスなどの技術供与により完成したもののはずだったが、独自に開発した部分があるとして、米国、日本、欧州、ブラジル、ロシアで特許を申請する準備をしているという報道がなされたのがきっかけだ。 もちろん、日本側、JRや川崎重工は猛反発だ。これまでの血と汗の結晶を盗まれていいのか、というコメントもある。 しかし、そういう感情論ではなく、何に対してどのように怒るべきか戦略的に考える必要がある。 事実の詳細は不明な点も多いので、ここでは、少し冷静に特許権について大局的に考えてみたい。 そもそも特許、特許権とは何か。実は、特許、という言葉自体は何の意味もない。特許権、となって初めて意味を持つ。というのは、そもそも特許というのは何が許されるかというと、経済的な排他的利用権を持つことが許される、ということだ