新年の最大の国際ニュースは残念ながら、過激な思想に染まった3人のフランス人イスラム教徒による一連のテロ事件となってしまった。 これに対し1月11日に組織された、“Place de la République”(共和国広場)を中心とするパリだけでも最大160万人におよぶ史上最大となったデモ行進は、“Marche Républicaine”(共和国の行進)と名付けられ、フランスや欧州のみならず世界の人々を団結させることになった。 かつてパリにおいて中東について学び、多くのフランス育ちのアラブの友人と長年にわたって交友関係を維持してきた筆者にとって、犯罪者となったフランス生まれの若いイスラム教徒の心理も、言論の自由を叫ぶ大多数のフランス人の気持ちも全く他人事ではない。 本稿では、表現の自由という価値への挑戦と、それに対する抗議の大規模デモという見方を超えて、過激なイスラム主義に対するパリ、ロンド