財政当局の人は、よく「政治や国民は増税を嫌う」とこぼすのだが、それは、どこの国も同じだ。とりわけ日本で抵抗が強いのは、デフレ下で消費増税をしようとしたり、みすぼらしい社会保障を更に切り詰めようといった無理を押し通そうとするからてある。そして、強引に進めるために用いられるのが、植民地支配で使われる分割統治の手法である。 国民に消費増税を押し付けるのに、経済界には法人減税を約束したり、世代間などの様々な「不公平」を掲げて、攻撃対象を示し、社会保障をより低い方へと揃えようとする。これでは、財政再建にもならないし、公共政策への信望が失われて、国の存在意義を掘り崩しかねない。日本は、ベスト&ブライテストに、こういうことをさせている。 ……… 井出英策・古市将人・宮崎雅人著『分断社会を終わらせる』は、こうした日本の在り方を鋭くえぐった快著である。共著でも分担執筆でないことに表れるように、熱意を感じる内
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