
他者に認められたい、という承認欲求が、このネット社会ではやや加熱しているように観察される。現代の子供たちは、相対的に大勢の大人に保護されている。しかも、褒めて育てる教育法が主流となっているから、幼い頃から、とにかく褒められるだろう。なにをしても、周囲の大人が即座に反応してくれる。オーバに手を叩いてくれるし、可愛いね、上手だね、凄いねとべた褒めされる。結果的に、そんな好意的な反応をもらえるものが「社会」だ、と思い込む人間を育てているのである。 大人になって一人暮らしを始めると、これが一転することになる。仕事場では、誰も褒めてくれない。多くの仕事は、相手を褒める側に立つものである。頭を下げ、相手の機嫌を取らなければならない。子供の頃とのギャップが甚だしい。 (森博嗣『お金の減らし方』SB新書、2020) こんばんは。上記の《オーバに手を叩いてくれる》というところは「オーバーに」の間違いではない
コロナ前はインバウンド景気に賑わっていた「GINZA SIX(ギンザ シックス)」の大量閉店が大きく報道されるに及んで、これまでテナントや中小ビルオーナーの苦境に留まっていたコロナ禍の「小売恐慌」がついに大資本大家を脅かす段階に至ったことを印象付けた。緊急事態宣言の再発令以降も都心部の人出は大きくは減少していないが都心商業施設の集客と売上の落ち込みは深刻で、もはやこれまでと見切りをつけて撤退するテナントが急増している。「その有様は都市文明の崩壊を予感させる」と、ファッション流通ストラテジスト・小島健輔氏は警鐘を鳴らす――。 「総崩れ」が始まった都心商業施設「ギンザ シックス」では臨時休業中の3テナント(飲食)に加え、昨年12月27日から今年1月20日にかけてコスメブランドやアパレルショップ、カフェやレストランなど22店が閉店したが、5万平米に241店舗が揃う巨大商業フロアの中では“歯抜け”
第一生命の営業トップで年収1億円超、銀行頭取がひれ伏し、地元の名士がこぞって加入……89歳にしてこれだけの金額を集め、いったいなにがしたかったのか。 刑事告発された老女の人生を丹念に振り返ると、そこには、地元財界を踏み台に、一代で成り上がった人間の複雑な人生があった。 拍手万雷のなかで2016年2月25日、山口県周南市内にある大型催事場に、300人を超える招待客が詰めかけていた。 〈第一生命特別調査役庄司政子さん勤続50周年記念祝賀会〉(名前は仮名) そう題された催しの発起人には、山口銀行の頭取や山口放送の会長、元市長、地域有数の神社の名誉宮司など、地元の名士たちが名を連ねる。 紫の派手なスーツを身にまとった老女は、発起人たちが代わる代わる壇上に立ち、自分を褒めそやす様子を満足気に眺めたすえ、鳴りやまぬ拍手のなかで挨拶に立った。 「素晴らしい人に、素晴らしい人を紹介してもらえたからこそ、今
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