アニメーションようやく始まった。否、始まっていた。古典部シリーズがアニメ化されると聞いて、楽しみにしていた挿話が「クドリャフカの順番」の料理コンテスト、「遠回りする雛」の二本。特に前者はダブルヒロインが大活躍するシリーズ屈指のエンタテイメンツ。『氷菓』第14話「ワイルド・ファイア」は文化祭料理コンテスト回だった。しかも、山田尚子さんの演出・コンテ回という数奇な巡り合わせ。思わず身構えて観てしまった。焦点は摩耶花の焦燥と解放、古典部の仲間意識だったけれど、まさかこんな童話的な演出を仕掛けてこようとは。傑作回だと思うので、細かくみていきたい。 ■「ワイルド・ファイア」横位置(横顔)カット集山田尚子回定番の横顔から。『氷菓』でローテーションを組んでいる植野千世子作監と相まり、他の回とは少し雰囲気を感じさせる。横顔は顔の厚みや凹凸、丸みが画面に出ることになり、繊細に立体をとらないと違和感を生じさせ
アニメーション天井知らずの面白さで毎週楽しみにしていたアニメ『ちはやふる』が最終回を迎えた。アニメ版が始まってまもなく「これは原作を読んだ方がいいのか」とつぶやいたことがある。すぐさま友人から「原作も超面白い」とのレスポンスが返って来た。かくして原作を手にとってみたところ、ほどなくして『ちはやふる』全巻が収納される運びとなり、今では愛読書として何度も読み返すに至っている。先日発売された原作最新刊も圧巻の内容であり、いまだ底知れない作品だと震えた。リミッターのない面白さで、いったい何処まで楽しませてくれるのだろうか、と。ちはやふる(16) (BE LOVE KC)作者: 末次由紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/03/13メディア: コミック購入: 1人 クリック: 213回この商品を含むブログ (34件) を見る原作に負けじとアニメ版の出来も抜群だった。演出が、音楽が、かるたア
アニメーションきらびやかな和歌の世界から勝負としての競技かるた、魅力溢れる要素の数々を多彩な表現でみせてくれる『ちはやふる』。語りたいことはたくさんあるのですが、今回は「競技かるた」と「百人一首の世界」について。はじめに、競技かるたは自陣25枚、敵陣25枚に分けて並べ、自陣の札が先になくなった方が勝ち、お手つきをすると相手の陣から1枚送られ2枚差がつく、敵陣の札を取った場合は自陣から1枚送れるという基本的なルールがあります。本編終了後に続けて流れる「HOW TO 競技かるた 入門編1」から特徴を引用すると、1対1の対人競技瞬発力 持久力が必要「畳の上の格闘技」原作を読んでいる人はもちろん、アニメ本編を見ていれば分かることばかりですが、演出のベースにもなるポイントです。対人であり、速力・持久力が必要な上、格闘技のように激しい。これらを踏まえた上で、『ちはやふる』の競技かるたがどんな描かれた方
反=アニメ批評, 2011年春期アニメ前回に引き続き、4月24日にustreamで話した内容を採録します。part2。 ・その1■聖女と魔獣――『魔法少女まどか☆マギカ』ラストシーン読解 今回は『日常』という日常系漫画とは距離を取ったギャグ漫画原作の京アニ作品と、『フラクタル』という京アニアンチ派・ヤマカン監督による「子どもが作りたくなるアニメ」を謳ったオリジナルアニメについて。 ---------------『日常』のOPが話題だ。ぼくの周りでも中毒患者は多くて、「辛抱たまらず50回見た」なんて、大きく日常から逸脱した行為に及んでた人も少なくない。一方ぼくはというと、周りが騒ぐほど乗り気にはなれないまま、「まあ良いのはわかるけどさ(青の挙動は一々カワイイし)……でもそんなにハマるほどのものなのかしら(あれっ、いま青がぼくに向けてウインクしたんだけどおい!)……ヒャダインとかキャッチーな起
『日常』という作品タイトルは、そもそも「日常系」の隆盛に起因して、そことの(アイロニカルな)距離感が計られてるんだろうから、キャラクターの容姿が日常系の開祖(?)『あずまんが大王』にそっくりなことだって単なるイミテーションとはちょっと違う。あずまんが大王DVD-BOX出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2009/06/24メディア: DVD購入: 4人 クリック: 17回この商品を含むブログ (13件) を見るだからアニメ版『日常』も、『らき☆すた』『けいおん!』で日常系アニメのひとつの達成をみた京アニが、次に取りかかる(解体)作業にもってこいな題材だった、と言えるかもしれない。それも、「日常」の意味がぐるりとひっくり返ってしまった、「現代」という格好のタイミングでの。 この「現代」的な日常の転覆は、『日常』のアバンにぎゅうぎゅうに濃縮されている。お魚くわえたドラ猫追っかけて行くよ
※つづきのエントリーも書きました。こちらも参考になさってみてください。 「タクティクスオウガ 運命の輪」 北米版のススメ - はてな読み 。o○★○o。。o○★○o。。o○★○o。。o○★○o。。o○★○o。。o○★○o。。o○★○o。。o○★○o。 北米版をプレイしとります。1周目の第2章Cルートでヴァレリア解放戦線のメンバーが仲間になったあたりです。 (空気を読まないカチュア姉さんの図) ということで、日本版との違いなど書いてみようか、と。 まず、日本版で不満なところをサラサラっと振り返っておきます。 (日本版の不満なところ) 【1】レベルアップボーナス これが上がりすぎるため、最初からいる汎用キャラ>後発の顔キャラとなってしまいます。そのため、「職縛りしたうえでの基礎ステ上げ」といった対策が生まれました。ただし、それはあくまでユーザーの「工夫」。旧作の石投げトレーニングも「工夫」でし
反=アニメ批評, エッセー, 2010年春期アニメついに最終回を迎えた『けいおん!!』は、そのラストに映画化の告知を行うことによって、われわれにたまさかの延命措置を施した。 といっても、精神的に憔悴しきった虚ろな目で『けいおん!!』最終回を視界に収めはじめたわれわれの中には、その第26話冒頭、けいおん部淫たちが部室で口にしていたおやつが「ミカン」であった時点で、その後の「映画化発表=TV版では「未完」」という可能性を感じ取りはじめては浮き足立っていた者も少なくなかった。 もちろん、ミカンの次に現れたおやつが「ハッサク」だったことから、『けいおん!』劇場版は「全八作」の超大作である予感も禁じ得ないだろうが、 今は「みかん」や「ハッサク」ではなく「いちご」について語る時だ。 『けいおん!!』モブキャラ論壇において、第24話の色紙で苗字も(予想通り)判明した「若王子いちご」さんの「悪の帝王」とし
今日はプレイテストがあった。開発中のゲームを、ある程度傾向の定まったグループに遊んでもらって、マジックミラーとかカメラごしにどんなところで詰まるのかみたり、あらかじめ用意した質問に答えてもらったり、ゲームの良かったところ悪かったところを討論してもらったりするイベントだ。 まあ、数週間おきにやってるもんだから、ある程度評価が予想できるし、いつもつい気が重くなってしまう。なぜかというと、けっこう厳しいことを言われるから。 特に若いグループは批判がキツくて、「PS2並」とか、「つまらない○○(大作タイトル)」とか、「ダウンロード用ならいいんじゃん」とか、「え、これ売るの?マジで?」とか、おしっこ漏れそうな罵詈雑言を毎回聞かされる。 だが、今回は違う。僕は周りに今回は大丈夫って宣言してた。ゲームの内容に対するチュートリアルが入り、ストーリーが語られるムービーが入り、適切な音楽が流れ、要するに最終的
反=アニメ批評, 2010年春期アニメついに二クール目に入り、新OP/EDも話題な『けいおん!!』ですが、これを機に、前半の1クールを振り返ってみるのも悪くないでしょう。 夏休み、プール、アルバイト、夏祭り、花火、白昼夢、そして勉強会。『けいおん!!』前半部のラストエピソード、まるで「エンドレスエイト」をなぞっているかのような第13話「残暑見舞い!」では、まるでオセロの駒をひっくり返すかのように、夢と現が、あずにゃんとごきにゃんが反転しつづける。 この「ごきにゃん」こと、日焼けした梓の褐色の肌が生むエロティシズムは、確かに、本来ならば当のあずにゃんよりも「ごきにゃん、ぺろぺろ」などとつぶやくわれわれ視聴者の側こそが、遥かにゴキブリに近い存在だという事実を忘れさせるほどにわれわれを魅了しもしたわけですが、そんな第13話の物語では、ごきにゃんの視点=軽音楽部に一人取り残される者の視点から、3年
OAuth の Read と Write 先日, ツイート君に会話をまとめてもらい, 大変嫌な思いをした. Twitter の OAuth には Read 権限と Write 権限があって, Write 権限があると つぶやく 誰かをフォローする 誰かをリムーブする などのことが行えてしまう. つまり, Write 権限を要求するアプリケーションを許可することは, 「このアプリケーションが私のアカウントを使って勝手に変なことをつぶやいたり, 勝手に誰かをフォローしたり, 勝手に誰かをリムーブしても文句は言いませんよ」ということに等しい. さて, それでは OAuth の権限付与画面を見てみよう. ここでは冒頭に上げたツイート君が権限をこちらに要求してきている. では, いったい何の権限を要求してきているのだろうか. Read なのだろうか. それとも Write なのだろうか. 答えは R
脱衣麻雀におけるゲーム性とは何かと言われればそれは結局のところ麻雀なのである。 脱衣麻雀ならではの打ち方とか、脱衣麻雀でしかまず見られないようなすぐにあがれる特殊アイテムなんてのもあったりするし、それはそれで語るに値するものではあるがそれは一端置いておくとして、とりあえず脱衣麻雀のゲーム性を語りたかったら麻雀のゲーム性について語れば良いのである。そこに尽きると思う。 だが、脱衣麻雀の魅力はどこにあるのかと言えば、それは当然、脱衣部分にこそある。 ゲームセンターで脱衣麻雀をプレイしてる人は、なにも麻雀を楽しみたくて100円払ってるわけではない。あくまで脱衣があってこそ、100円払っている。 ビデオゲームをゲーム性でのみ語ろうとすることの危険性は、脱衣部分を無視して脱衣麻雀の面白さを語ろうとしてしまうところにある。それじゃ麻雀の面白さを語ることにしかならない。ビデオゲームの大半は、純然たるゲー
「はてなブックマークFirefox拡張」バージョン2.0と「Firefox 3.6」正式版のリリースを記念し、はてなブックマークとMozilla Japanがオフィシャルコラボレーション。「はてなブックマーク×Firefox 3.6オフィシャルプレゼントキャンペーン〜はてなブックマーク拡張でお気に入りのFirefox Personasテーマをブックマークしよう!」を開催いたします。 はてなブックマークFirefox拡張は、ソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」をより便利に使える、Webブラウザ「Firefox」専用の拡張機能です。Firefoxの最新版Firefox 3.6には、ブラウザウィンドウのデザインを変えられる新しいテーマ機能「Personas(ペルソナ)」が標準で搭載されています。今回のキャンペーンでは、この両者の機能を楽しく組み合わせました。Firefox 3.6
普段1日10アクセス程度しかつかないのでアクセス数にちょっとびくびくしとりますw昨日の記事の続きなぜ「ボカロブームは既に終わっている」と思うのか。 まずそもそもブームってなんだろうって話。簡単に言ってしまうと普通の人が話題にする。悪く言えば誰もが冷やかしている状態。冷やかしが作り上げるムーブメントをブームと言うんだと思います。でもブームが終わって、誰もが話題にしなくなったからって消滅するわけではないですよね。たとえばサッカーや野球のブームが終わって民放で試合を放送しなくなってもサッカーや野球をやる人はいるし試合を見る人もいる。好きだから続けるわけです。ブームが終わったから辞めるという理由にはならないから。まぁ野球やサッカーみたいなのは営利のものもありますから採算がとれなくなれば辞めなければいけない状況になりますが・・・ブームが終わるというのは冷やかしがいなくなって愛好家だけが残るという状態
雑記, エッセー今日は、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの作者・荒木飛呂彦先生の奥様・荒木麻美さん(チャミ様)によるトークライブ――『荒木麻美のジョジョと奇妙な生活』@駒場祭に行ってきたのですが、荒木先生や『ジョジョ』シリーズに関する面白い話が色々聞けたので、その(流石に↓の記事みたいなテンションでは書けないので普通の)レポを書いてみようと思います。 http://getnews.jp/archives/37225 今まで食べてきたパンの枚数がわからないようにッ! いままで漫画『ジョジョの奇妙な冒険』から受けた衝撃の回数もわからないッ! そんな『ジョジョ』が好きで好きでたまらないジョジョラーだったとしても、まさかこんな日がやってくるとは思わなかったハズ! ディ・モールト(すっごく)喜べッ! なんと『ジョジョ』の生みの親・荒木飛呂彦先生の奥さま、荒木麻美さんが東京大学で講演会を開催することに
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く