新国立競技場の“やり直し”コンペが終了し、新たな設計者が決定し、あとは完成に向けてまっしぐらとなることだろう。しかし、前回のコンペは日本の建築史上最大の汚点となると懸念するのは批評家・浅田彰氏だ。 * * * 私は建築の専門家ではありませんが、伯父が丹下健三研究室のマネージャー役だったこともあり、建築については常に興味をもって眺めてきました。その観点から見ても、いや社会問題として見ても、新国立競技場を巡る問題はひどいと言うほかありません。 まず国際コンペが行われ、安藤忠雄を委員長とする審査委員会がザハ・ハディドの案を選んだ。設計会社とゼネコンが加わってその案を具体化していったところ、1300億円の予算を大きく超える2500~3000億円の費用が必要だとされた。 初期の案を縮小してもその額が一向に減らない。その過程が延々と続いたあげく、とうとう安倍晋三首相が白紙からの見直しを指示した。「首
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