岸田文雄首相の長男で、政務秘書官を務める翔太郎氏(32)が、首相の欧米歴訪時に公用車で観光地をめぐって撮影した写真が、政府の対外発信で使われていないことがわかった。松野博一官房長官が30日午前の記者会見で明らかにした。これまで政府は、公用車を利用して観光地をめぐったのは対外発信用の撮影だと説明していた。 松野氏は「現時点では対外発信に使用していない」と認めたうえで、撮影した写真は「(外国訪問の)日程終了直後に対外発信に使用することもあれば、一定期間収集し、後日、一連の活動記録として対外発信に使用することもある」と説明した。 翔太郎氏は、今月9~15日の首相のフランス、イタリア、英国、カナダ、米国の歴訪に同行した。その際に、日本大使館の公用車を利用して、パリやロンドンの観光名所を訪れ、現地の百貨店で買い物をしたと週刊新潮が報じた。 報道を受けて、政府は翔太郎氏に聞き取るなど調査した。木原誠二