岸田政権は昨年12月、敵基地攻撃能力(反撃能力)を保有することを決めました。攻められないかぎり攻撃をしない「専守防衛」を国是としてきた日本の安全保障政策は、戦後78年のいま大きく変えられようとしています。「戦争と平和を考える」18人の声をお読みください。 戦争は人間を歪め、残酷にする。『はだしのゲン』にはその真実が描かれています。 今年5月、広島でG7サミット(主要7カ国首脳会議)が開かれました。ところが、核軍縮に関する共同文書「広島ビジョン」では、広島県出身の岸田文雄首相が議長であるにもかかわらず、核兵器廃絶のための具体的な言葉が一言も入らなかった。『はだしのゲン』を描いた漫画家・中沢啓治さんが生きていたら、怒り心頭だったと思います。 広島市の教育委員会が、2023年度から小学生向けの平和教育の教材から『はだしのゲン』を外すという出来事もあった。『はだしのゲン』には、中沢さんの経験をもと