ニューヨークの黒人街ハーレムといえば、今も昔もブラック・カルチャーの中心地の一つ。その60年代の様子を生き生きととらえた名作写真集『ハーレム 黒い天使たち』が、30数年ぶりに復刻。渋谷や六本木などの書店やレコードショップでも大きく展開され、話題を呼んでいる。 もともと1974年に出版された『ハーレム 黒い天使たち』は、1962年から1971年までニューヨークに滞在していた日本人ジャーナリスト/写真家の吉田ルイ子によるもの。アポロ劇場に近いハーレムの低所得者用公営団地に住んでいた吉田ルイ子は、黒人街のようす、ひいてはブラック・カルチャーの躍動感を伝える日本人ジャーナリストの元祖とも言われる人物で、帰国後の1974年にこの写真集を発表。しかし諸事情により、その後ながらく絶版となっていた。 エッセイで高い評価を得た文筆家としての顔も持つ吉田ルイ子だが、この『ハーレム 黒い天使たち』では文章を