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ブックマーク / jmiyaza.hatenablog.com (3)

  • 小谷野敦「『こころ』は本当に名作か 正直者の名作案内」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)

    新潮新書 2009年4月 漱石の『こころ』を論じたものではなく、副題のように、どのような文学作品を薦めるかを示したものである。 小谷野氏の読書量は驚くべきもので、前の『里見紝伝』でも里見氏の全作品を読んだといい、そんなことは「時間さえ掛ければ誰にもできる」とこともなげに書いていたが、書でも「十年くらい前からは、意図的に、未読の古典名作を読むようになり、たいていは読み終えたのではないかと思っている」と書いている。丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士・三氏による『文学全集を立ちあげる』(文藝春秋 2006年)などを読んでも、なんでみんなあんなにたくさんを読めるのだろうと思う。何もせずに朝から晩までを読んでも一日3冊、年に千冊ではないだろうか。十歳から七十歳まで読んでもたったの六万冊である。もちろんばかり読んで暮らすわけにはいかない。実際には一生かかって一万冊がやっとではないだろうか? 同じを二

    小谷野敦「『こころ』は本当に名作か 正直者の名作案内」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)
  • 上野千鶴子 三浦展「消費社会から格差社会へ 中流団塊と下流ジュニアの未来」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)

    河出書房新社 2007年4月 書を読んでみる気になったのは、赤木智弘氏の「若者を見殺しにする国」を読んで今ひとつすっきりしない点が残ったためである。赤木氏の議論では、絶対的な貧困と相対的な貧困が充分に区別されていないように思えた。絶対的な貧困とは「飢えて生きていけない」ということであり、相対的な貧困とは「尊厳がなくみじめである」ということである。 赤木氏は「いまでこそフリーターは、私のように親元で生活できている人も多く、生死の問題とまで考えられていないのですが、親が働けなくなったり死んだりすれば、確実に生死の問題となります。それまでの生活水準を維持できないのは当然として、フリーターの給料では自分ひとりですら生きていけるかが怪しく、ホームレスになるか自殺するかの二者択一になる可能性が高いのです。すくなくとも家が資産家でもなんでもない私は、その二択を迫られるでしょう。/ ちなみに私は、どうせ

    上野千鶴子 三浦展「消費社会から格差社会へ 中流団塊と下流ジュニアの未来」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)
  • 東浩紀「ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)

    講談社現代新書2007年3月 ライトノベルと美少女ゲームを通して日のポストモダン状況を分析しようとするものである。ライトノベルというのは《マンガ的あるいはアニメ的なイラストが添付された、中高生を主要読者とするエンターテインメント》であり、美少女ゲームとは《ひとりのプレイヤーを想定した、アニメ風のイラストで描かれた女性キャラクターとの恋愛の成就を目的とする、男性向けのアドヴェンチャーゲームあるいはシミュレーションゲーム》なのだそうである。どちらもわたくしのまったく知らない世界であるので、書をどのくらい理解できたのかは甚だ心もとないが、東氏はわたくしのような読者も想定して執筆しているので、観想を書くことは許されるであろうと思う。 東氏がいうポストモダンとは「大きな物語」が崩壊した状態である。これはリオタールという人の用語らしいが、読んでいるうちに「大きな物語」というのが何かがよくわからなく

    soylent_green
    soylent_green 2007/03/22
    内容に誠実であろうとすれば「だろう」「と思う」「かもしれない」ばかりになってしまうのだろうと思う。ひとごとではない。
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