以前『失恋論』という本を出したとき、評論家の小谷野敦さんから「あんな失恋生易しすぎる。あなたは白いうんこを出したことがありますか」と問われ、その迫力に圧倒され「あ、ありませんケド……」としどろもどろになってしまった私です。 でも、今考えてみると、悩んだり苦しんだりしたからって、うんこが白くなるなどということがあるのだろうか。なにかショックなことがあって一晩で白髪になっちゃったという人の話は聞いたことがあるけれど、髪とうんこは違うのではないか。 あり得るとすれば、失恋のショックで体調が悪くなり、検査でバリウムを飲んだ……ということぐらいだろう。外から何か胃に注入するということなしには考えられないのでは。 身体調べるところまで行くぐらいに追いつめられたという意味では、悩み苦しみのバロメーターにならないこともないけれど、白いうんこ自体は、単なる身体検査でバリウム飲んだって出るのではないだろうか?