日系企業による新興国の進出率が高まるなか,KDDIはこうした国々の開拓に照準を絞る。高品質なデータセンターの新設に始まり,現地SI力の強化,サービスの拡充と,新興国に進出した場合でも,ICTインフラの構築に煩わされず,本業に集中できるようサポートする。そして,その先に見据えるのは,開発途上国への新規事業展開だ。 インフラの未整備が進出の足かせに 金融危機で沈む先進諸国に対し,リーマンショック以降も驚異的な成長力で経済発展を遂げる新興国――。中国やベトナム,バングラディッシュといったアジア諸国に加え,南アフリカなど,高い水準でGDP(国内総生産)の成長率を維持する。日本や欧米諸国の企業が国際競争力を獲得するには,これら新興国への展開が不可欠なのだ。そのため,日系企業の進出が相次ぐ。 北米や欧州の売上高が大きく減少しているのに反し,新興国における日系企業の2009年売上高は拡大傾向を示した。「