韓国軍が犯したとされる事件を取材するためにベトナムへ 2014年2月の渡航から4カ月後の同年6月、私はフーイエン省の省都トゥイホア市に初めて降り立った。 前回訪れたビンディン省タイソン県とクアンナム省ディエンバン県のフォンニ村・フォンニャット村、そしてハミ村での聞き取り調査を終え、日本での仕事のためいったん帰国をしていた。帰国後に聞き取りをした資料をまとめ、金賢娥氏の書籍などと照らし合わせることで、少しずつだが、ベトナム戦争中に韓国軍が犯したとされる事件のいくつかが見え始めてきた。そして今度はフーイエン省で聞き取りをしようと思い、再び渡越したのだ。 通訳は「お義母さんが田舎から来て、子どもの面倒を見てくれているから大丈夫」と、いつものダオが同行してくれた。フーイエン省は、ビーチリゾートで有名なニャチャン市があるカインホア省の北に隣接している。ビンディン省に次いでマグロの漁獲量が年間約400