「どうしてこんなに見積もり金額が違うんだ!?」。 ある地方の中堅サービス業A社からベンダー選定のコンサルティングを依頼されたときのこと。聞けば,大手ITベンダー3社から業務パッケージ導入の提案を受けたのだが,コンピュータの素人である社長には,見積もりの妥当性が判断できないのだという。 「安ければよいというわけではないことは理解している。専門家の目で見てほしい」。 社長にこう言われて調べたら,3社の見積もり金額がばらついている理由はすぐに分かった。A社はRFPを作成しておらず,ベンダーと場当たり的にやり取りしてきたことが最大の原因であった。筆者はコンサルタント数人を率いて,現地に2週間泊まり込むことにした。システムへの要求を整理し,ベンダー3社との面談を繰り返した。 その結果,X社の提案が最適であるとの結論に至った。しかし,X社の見積もり金額は1億3000万円。A社の予算は1億2000万円だ
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