北八ケ岳と奥秩父山塊の間に広がる長野県小海町。白菜やレタスなど高原野菜の産地として知られるこの町は、約5200人の人口の5人に2人が65歳以上の高齢者、1年間に生まれる子供は20〜30人という「50年後の日本の人口構成に近い町」(国立社会保障・人口問題研究所)だ。日本の「将来像」ともいえる町を、一足先に歩いた。長谷川陽子) ■財政に余力なし 東西21キロ、南北16キロほどの小さな町の中心部には、JR小海線と国道が千曲川に沿って走っている。 「30年前は家族連れでにぎやかだった」(商店街関係者)という商店街も今は空き店舗が目立つ。しんしんと降り続く雪の中、日中も人通りはほとんどない。 中心部には、デイサービスが受けられる介護支援施設などが6施設。その一つ、社会福祉センター「やすらぎ園」には、1人暮らしの高齢者が格安の家賃で暮らせる集合住宅が整備されている。 認知症予防のため、定期的