「遠まわりする雛」は米澤穂信さんの古典部シリーズ第4弾,7話収録の短編集です。 奉太郎たちの一学期,夏休み,二学期,冬休み,三学期,春休みがそれぞれ扱われています。 古典部シリーズは「氷菓」が春から夏休み,「愚者のエンドロール」が夏休み終盤,「クドリャフカの順番」が秋の文化祭が舞台になっているので,長編の合間や舞台裏で何が起きていたのかを知ることができます。 「遠まわりする雛」で特に優れているのは最後の二つ,「手作りチョコレート事件」とタイトルの「遠まわりする雛」です。シリーズの今後にも関係してくる内容でした。特にタイトル作の「遠まわりする雛」は素晴らしいです。アニメの最終話に持ってくるのではないでしょうか。 ハードカバー版の表紙。 短編一つ一つを見るとそれほどクオリティは高くはありません。(ミステリー的には) でも,古典部シリーズならではの地味な事件には短編も向いている感じがします。 こ