住人のおよそ半数が特別な能力を持つ街、咲良田(さくらだ)。 記憶を保持する能力を持つ浅井ケイと、「リセット」――最大で三日分、時間を擬似的に巻き戻す能力を持つ春埼美空は、奉仕クラブと呼ばれる、能力に関する問題を処理するクラブに所属していた。 ケイは「マクガフィン」という名の黒い石の存在を知る。なんの価値もないように見えるただの小石。しかしそれは、咲良田の存在をかけた、「物語」のはじまりに過ぎなかった――。全国の書店員が大絶賛! 新鋭・河野裕が独特の筆致で綴る青春ファンタジー!! 浅井ケイあさいけい 「僕は、明日の記憶を持っている」記憶を保持する能力を持つ。「奉仕クラブ」に所属。二年前、「管理局」に反抗したため、監視されている。高校一年生 春埼美空はるきみそら 「どうしてリセットしたんですか?」「リセット」の能力で、世界を三日分、元に戻せるが、「リセット」前の記憶は失う。どんな場合も、ケイの