書店チェーンのリブロが、西武百貨店池袋本店に構える本店を6月で閉店するのだそうだ(ソースはこちら)。 残念なニュースだ。 しばらく前から撤退の噂が流れていることは知っていた。 私は本気にしていなかった。 リブロの池袋店は、いつ通りかかっても活気のある店舗だったからだ。 もうひとつ、私が閉店の噂を信じなかった理由は、西武百貨店にとって、リブロが、ブランドイメージ(←西武グループが単なる商品を売る企業ではなくて、情報を発信しライフスタイルを提案する文化的な存在であるということ)を維持する上で、不可欠なピースであると考えていたからだ。 フロアマップの中にきちんとした書店を配置していない百貨店(モールでも同じことだが)は、長い目で見て、顧客に尊敬されない。まあ、書店を必要としないタイプの客だけを相手に商売が成り立たないわけでもない。それはそれでやって行けるものなのかもしれない。が、立ち回り先に本屋
あけましておめでとうございます。 新年第1回目の更新分は、インフルエンザのためお休みをいただきました。 無理のきかない年齢になってまいりました。いろいろなことがあります。 待ち焦がれた読者を想定して休載を詫びてみせるのも、かえって傲慢な感じがいたしますので、なんとなくぬるーっとはじめることにいたしましょう。 フランスでこの7日から連続して起きたテロ事件は、17人の死者を出す惨事になった。 1週間を経てあらためて振り返ってみると、この事件が、これまでにない多様な問題を投げかける出来事だったことがわかる。 表現の自由と宗教の尊厳の問題、宗教への冒涜とヘイトスピーチの関係、テロ警備と市民生活、多文化主義と移民の問題など、数え上げればきりがない。 どれもこれも簡単に結論の出せる問題ではない。 それ以前に、半端な知識や安易な態度で踏み込んではいけない話題なのかもしれない。 なので、事件の核心部分につ
団さんはどうしてるのかしら…。真理は、無性に達也のことが気になった。フランスのボルドーで会ったきり、音信は途絶えている。正確に言えば、真理から何の連絡もしていなかった。嫌われたのかもしれない、と真理は思った。 (自分勝手なんだから…) 達也のことではない。自分自身をそう思っている。短大を出て、ジェピーに入社した時の仕事といったら、伝票入力や経理事務だった。達也との出会いは、真理の運命を変えた。なのに、達也を避けてロンドンに移り住み、今ではジェームスの片腕として金融の仕事をするまでになった。 なぜ達也のことが気になるのだろうか。真理は冷静になって考えようとした。ヨーロッパの人たちにとって日本は遠い東の果ての国。近隣の国々に次々と追い越されたかつてのエリートなのだ。 ただ。だが最近は様子が変わった。製造業の復活。その成果を祝うように富士山が世界文化遺産に登録された。明るいニュースがフランスの新
清野 由美 ジャーナリスト 1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。 この著者の記事を見る
提言としては特に真新しさを感じなかった。観光専門家(山田桂一郎やアレックス・カーなど)は実際に地方に入ってより具体例を提示している。観光施策についてのアイデア(関ヶ原の戦い再現イベントによる集客)というのもどうだろう。氏の仰るように1000万以上の宿泊先などお金の落ちるシステムを構築するのは大切なことだが、それならば既存のイベント(世界的に有名なコミケなど)で努力した方が効果的ではないか。地方創生については言語道断。これらの意識を観光庁が唱えたところでそれを実施する行政側が真の意図を理解しておらず、国、県、市の職員が一般市民に間違った伝言ゲームを繰り返している。また、折角儲けた観光収入もより効果的な投資をできる程しっかりした自治体は少ない。結局は携わった者だけが潤う資本主義ゲーム。そこに一石を投じるような提言が聞きたかった。(2014/12/09)
4月、インターネット通販最大手のアマゾンジャパンが酒類の直接販売を始めた。販売ページには、「アサヒスーパードライ」、「キリン一番搾り」、「サントリープレミアムモルツ」など、大手ビールメーカー各社の看板商品のほかに、日本酒、焼酎、ウイスキー、ワインなど様々な酒が並ぶ。 銘柄が非常に多様でかつ、持ち運ぶには重い酒類は、ネット通販が比較的強みを発揮しやすい分野とされる。小売り店舗に比べて郊外の倉庫で豊富な品揃えができ、配送を希望する購入者も多いからだ。ネット通販で圧倒的な存在感を持つアマゾンの直販は、少なからず業界関係者に衝撃を与えた。 「アマゾンは免許をどうしたのか」 だがそのニュースが駆け巡ったのと同時に、酒類販売の業界関係者には1つの疑問も浮かんだ。それは、「アマゾンは免許をどうしたのか」というものだ。 日本国内で酒類を販売するためには、免許が必要なことは多くの方がご存じかと思う。 もう少
挑むことは最高の贅沢だ 川島:石井さんは、スーパーフラットな世界の中で、突出した才能を花開かせました。傍から見ていて、そう感じている人、石井さんの周りにたくさんいますか? 石井:僕は日々思いついたことをTwitterでメモのように書いて公開しています。最近のツイートで、競争について触れたものがあります。「100メートルトラックを人より速く走ること、それは真の競争ではない」。この言葉は、僕をMITメディアラボに呼んでくれた、当事の所長のニコラス・ネグロポンテの言葉に触発されたものです。 「これまでと同じ研究は続けるな。人生は短い。新しい物事に挑むことは最高の贅沢だ」 川島:「挑むことが最高の贅沢だ」。思いきった言葉ですね。 石井:定められたトラックも何もない、原野を独り切り拓きながら、孤独に耐えて走る。それが本当の競争です。そこには観客も審判もストップウォッチもない。すでに存在しているトラッ
佐藤 浩実 日経ビジネス記者 日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。 この著者の記事を見る
川島:石井先生は、マサチューセッツ工科大学(MIT=Massachusetts Institute of Technology)のメディアラボ(MEDIA LAB)にいらっしゃいますよね。この連載は「ダサい社長が日本をつぶす!」というタイトルなんです。日本の企業が作っている製品やサービスのデザインが、かっこよくなくなってきている。それはなぜなのか、どうしたらもっとかっこよくなるのかということについて、さまざまな方にインタビューしているものです。 石井:「ダサい社長が日本をつぶす!」。凄いタイトルですね。 大前提が間違っている 川島:日本人デザイナーの中には、アウディの和田智さん、ピニンファリーナの奥山清行さん、アップルの西堀晋さんなど、海外の一流企業に籍を置いて活躍してきたデザイナーがいる。石井さんもMITのメディアラボで副所長として、またメディア・アート&サイエンスの教授として、ハイレベ
増田 宗昭(ますだ・むねあき) カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長兼CEO 1951年生まれ。大阪府枚方市出身。83年、「蔦屋書店(元・TSUTAYA枚方駅前本店)」を創業。85年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社設立。2011年12月、大人たちに向けた新しい生活提案の場として、東京・代官山に「代官山 蔦屋書店」をオープン。TSUTAYAやTカードなど「カルチュア・インフラ」を創りだす企画会社の経営者として、奔走している(撮影/大槻純一) 増田:昔はモノがなかったでしょ。モノがなかったときはモノを作れば売れるわけです。作れば作っただけどんどん売れる。さらに売り場を広げれば、それだけ売れる。つまり需要と供給のバランスでいうと、需要の方がはるかに大きかったんですね。高度成長期が終わるまではそうでした。そんなとき、企業は何を考えるか? 需要=お客さんは最
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