ぼくらは都市を愛していた [著]神林長平 デジタルデータのみを破壊する原因不明の「情報震」。それにより世界が混乱に陥り、人類滅亡の危機に瀕(ひん)する悪夢的近未来と、今と大きく変わらない東京、二つの舞台で物語が進行する。 語り手の一人である双子の姉ミウは、日本情報軍観測部隊長であり、「情報震」で無人化した東京に入り込む。そこで、記憶に異常をきたし(人間の脳の働きも突き詰めればデジタルだ)、部下とも接触を失い孤立する。 一見平穏なもう一つの世界で、弟のカイムは、勤務する公安警察上層部の意向で腹部に人工神経網を植え付けられ、疑似的なテレパシー能力を与えられる。仲間同士「腹を読める」だけでなく電脳ネットワークとも接触できるちょっとした超能力だ。ある殺人事件に際し、自分が犯人で同僚女性が被害者だと確信するのだが、自分にはアリバイがあり、同僚も目の前で生きているという不条理に晒(さら)される。 姉弟
はこだて未来大学の松原仁教授(人工知能)らが「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」を開始する。星新一(1926~1997)さんの1千点を超すショートショートを分析し、星さんの新作と言えるような作品をコンピューターで自動生成することを目標としている。 星さんのショートショート作品を取り上げたのは、作品数が多く分析しやすいことと、プロットがわかりやすく、作品の個性が際だっていることなどが理由だという。使われている単語、文章の長さ、句読点の数、同一単語間の距離などを分析することで、星ショートショートに共通する特徴をとらえる。その後、物語を構成する要素の組み合わせをずらすなど、さまざまな創作法を試し、ショートショート創作法として完成させるという。 コンピューターによる芸術作品の創作は、絵画、音楽、パズル、詰め将棋、詩、俳句、和歌などでは一定の成果をあげているが、小説ではほとんど進んでいない
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