学習支援員が見た教育困難校の実態とは… 「教育困難校」の実情が周囲に少しずつでも理解されるにつれ、学力が低い高校生の学力向上を学校内で支援する人員を配置する動きが起こった。それは、発達障害に対する支援より少し早い2010年代後半から、東京都や大阪府、埼玉県等で開始されている。 この支援は教育委員会が資金を出してNPOなど外部団体に依頼する形で行われている。NPOには退職教員、現役学生を始め、さまざまな経歴を持つ人が所属し、学習支援活動に携わっている。これまで、高校教育関係者以外には知られていなかった、義務教育段階で学力を伸ばし得なかった高校生の姿は、このような支援する人々にどう映るのだろうか。 この疑問に応えてくれる方に取材することができた。首都圏で学習支援員を務めているOさん(仮名)という男性である。彼の公立高校での学習指導の体験と生徒たちへの思いを以下に紹介してみたい。 Oさんは大学で