ロケットの模型を手に笑顔を見せるJAXAの森田泰弘教授(14日午後5時42分、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所で)=浦上太介撮影 イプシロン開発責任者の森田泰弘・JAXA教授(55)は打ち上げ後の記者会見で「とうとう心の底から笑える日が来た」と顔をほころばせた。 期待を背負った新型機は、相次ぐトラブルに悩まされた。6月の内之浦への搬入は、トレーラーが故障。その後、配線ミスも見つかり、打ち上げは延期された。注目された8月27日の打ち上げは、発射19秒前に中止され、全国のファンを落胆させた。 森田さんは、27日の中止後、「生きているか死んでいるか、わからないくらいに落ち込んだ」と振り返る。食事ものどを通らず、体重は2キロ減った。だが、JAXAの公式サイトには連日、応援メッセージが書き込まれ、手紙やお守りも届いた。「体に気をつけて」「成功を期待しています」――。闘病中の人が病床で書いた手紙も