観光客らが行き交う繁華街の休日が、悲鳴と混乱で一変した。神戸市中央区のJR三ノ宮駅前で、市営バスが歩行者をはねて8人が死傷した事故。バスは前触れもなく道路を横断する人の波に突っ込み、目撃者らは「目の前でこんな事故が起きるなんて」と表情をこわばらせた。 「何が起きたのか分からず、一瞬静まり返った。ことの大きさに気づいた時には、悲鳴が上がっていた」。現場の横断歩道で信号待ちをしていた神戸市須磨区の男性(34)は、事故の瞬間をそう振り返った。 「信号が青に変わり、歩行者が一斉に渡り始めた」ときだった。近くの地下鉄三宮駅前バス停から「バスがゆっくり動きだした。時速は10~20キロ程度。かなり遅かったと思う」。ただ、止まる様子はない。そのまま「歩行者数人をなぎ倒した」という。 巻き込まれた男性の一人は車体の下で動かず、そばで自転車がひしゃげていた。足から血を流した人の姿も見えた。 その横断歩道をまさ