富山大学大学院医学薬学研究部(医学) 生化学講座の井ノ口馨教授らは1月27日、記憶を関連づける神経細胞集団(記憶痕跡細胞集団)の仕組みを解明したと発表した。 ヒトは脳に蓄えられているさまざまな記憶情報を関連づけることで、知識や概念を形成していく。記憶は特定の神経細胞集団によって脳内に蓄えられており、記憶同士が関連づけられるときには、それぞれの記憶を司る細胞集団どうしが重複すると報告されているが、重複した細胞集団の役割は不明だった。 すなわち、サッカリン水溶液を飲むとブザー音を聞いた時のようにフリージング(すくみ)反応を示すようになった。その時、CTA記憶とAFC記憶を司る扁桃体では、各記憶に対応した記憶痕跡細胞集団の重なりが増えた。逆に記憶を思い出した時に重複した記憶痕跡細胞集団の活動のみを実験的に抑制すると、2つの連合記憶同士が連合する割合が低減した。 一方、CTAおよびAFCそれぞれの
京都大学iPS細胞研究所(京大CiRA)は2月2日、センダイウイルスベクターを用いてES細胞/iPS細胞から脊髄運動ニューロンへ分化させる手法を確立したと発表した。 同成果は、京都大学大学院医学研究科臨床神経学の大学院生 後藤和也氏、京都大学CiRA増殖分化機構研究部門 今村恵子助教、北野病院 小松研一医師、 京都大学CiRA増殖分化機構研究部門 井上治久教授らの研究グループによるもので、2月2日付けの米国科学誌「Molecular Therapy - Methods & Clinical Development」に掲載された。 近年、ES細胞/iPS細胞を用いた、ALSなどの脊髄運動ニューロン疾患の研究の新たなアプローチが始まっている。これまでES細胞やiPS細胞から脊髄運動ニューロンを分化させる方法はいくつか報告されているが、化合物を用いる既存の方法では多くの培養ステップを経る必要があ
生理学研究所(生理研)は2月3日、脊髄損傷後早期において運動機能の回復に重要な役割を果たす脊髄神経細胞を同定したと発表した。 同成果は、生理学研究所 伊佐正教授(研究当時、現在は京都大学大学院医学研究科・医学部神経生物学分野)、當山峰道研究員、小林憲太准教授、弘前大学 木下正治准教授、京都大学 渡邉大教授、福島県立医科大学 小林和人教授、慶應義塾大学医学部 里宇明元教授らの研究グループによるもので、1月3日付けの米国科学誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載された。 脊髄損傷の多くは、大脳皮質運動野から脊髄の運動ニューロンに情報を伝える皮質脊髄路を介した神経経路が傷つくことで運動麻痺が生じる。しかし、脊髄損傷の多くは一部の神経だけが傷ついている不全損傷であり、損傷を免れた神経が脊髄内に存在する。この残された神経経路が、運動
Causal neural network of metamemory for retrospection in primates. Kentaro Miyamoto, Takahiro Osada, Rieko Setsuie, Masaki Takeda, Keita Tamura, Yusuke Adachi, Yasushi Miyashita Science, 355, 188-193 (2017) 要 約 自分自身の記憶を内省する能力はメタ記憶とよばれ,ヒトだけがもつ高度な認知能力と考えられてきた.しかし,記憶そのものの処理と独立したメタ記憶の神経基盤が実際にヒトの脳に存在するかどうかは現在までわかっていなかった.なぜなら,ヒトを対象にした研究において,ある認知処理に相関した脳の活動を計測することはできるが,その脳の活動と行動とのあいだの因果関係を調べることは不可能だからである
今年からNature出版は「Nature Human Behaviour」をスタートさせた。メールマガジンで送られてきた第1号の論文リストを見て、思わずフリーアクセス論文を4編もダウンロードしてしまったほど、一般の興味を引く論文が掲載されている。Aims & Scopeを見ると、人間の行動に関することならなんでもありという雑誌で、「人間科学」専門誌と言ってもいいのかもしれない。今後が楽しみで、ぜひ図書館でも購入して欲しいと思う。ただ、今日紹介するMITからの論文はこの新しい雑誌に掲載された論文ではなく、1月26日号のNatureに掲載された論文だが、エディターも新しい雑誌のことを意識して掲載を決めたのではないかと推察する。タイトルは「A solution to the single-question crowd wisdom problem(問題解決のための集合知が抱える問題に対する一つの
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