→紀伊國屋書店で購入 「司馬遼太郎の見える風景」 毎年中学3年生から高校3年生までの生徒に、大学の卒業論文のミニチュア版のような、Extended Essayというものを書かせている。テーマを決める所から始めて、資料探しやノート取り、プランニング、下書き、清書と、一年がかりの作業だ。テーマは文学ならば何でも構わないとしているが、初めて書く生徒には範囲を広げて、エンターティンメント系の作品も許可している。 そうすると、時々司馬遼太郎の作品を選ぶ者がいる。10年以上前に亡くなった作家であるのに、未だに若い子たちにも根強い人気があるようだ。司馬の作品は確かに面白い。作家の息遣いが登場人物に重なってきたり、妙に客観的になってみたり、作家と登場人物との距離のとり方が、自由自在なのだ。私たちは彼の視線とともに作品を読むのではなく、どこかに司馬の視線を意識しながら読まされてしまう。 『空海の風景』は30
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