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ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (205)

  • 『シンメトリーの地図帳』 マーカス・デュ・ソートイ (新潮社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 今回、途中で放りだしたのも含めると群論関係のを13冊手にとったが、1冊だけ選べといわれたら、迷わず書を選ぶ。わかりやすいというだけでなく、文章に含蓄があり、天才たちのエピソードの紹介にも人間的な奥行が感じられるのだ。書は数学の啓蒙書を超えて一個の文学作品になっているといっていいだろう。 著者のマーカス・デュ・ソートイは現役の数学者で、群論と整数論を専門にしている。BBCの科学番組にたびたび出演していて(未見であるが、NHKから「オックスフォード白熱教室」として放映されている)、最初の著書『素数の音楽』は世界的なベストセラーになった。 書は数学者の一人語りの体裁をとっていて、40歳の誕生日の2005年8月から翌年7月までの1年間の出来事――家族旅行で訪れたアルハンブラ宮殿に平面で可能な17種類のシンメトリーを探したこと、沖縄で開かれた群論の小さな学会、共

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  • 『シンメトリーとモンスター』 マーク・ロナン (岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 群論の研究者が書いた一般向けのだが、内容はかなり高度である。 日版の副題は「数学の美を求めて」だが、原著では「もっとも偉大な数学の探求の一つ」となっていて、著者自身が参加した「アトラス(地図帳)計画」をさす。 群論を開拓したガロアは群を部分群に分解していくと、それ以上分解できない単純群と呼ばれる特別な群に行き着くことを発見した(単純群とは整数論における素数のようなものといえるかもしれない)。「アトラス計画」とは、この単純群をすべて分類しつくそうという壮大な計画で、1960年代にはじまった。当初は終わりがあるのかどうかもわからず、すくなくとも20世紀中には終わらないだろうと言われていたが、1980年頃には終わってしまい、1985年から電話帳のような『アトラス』の刊行がはじまった。 めでたしめでたしと言いたいところだが、探求の過程で「モンスター群」と呼ばれる巨

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  • 『もっとも美しい対称性』 イアン・スチュアート (日経BP社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 書の表紙には左右対称の美しい蝶の写真が大きくレイアウトされている。原題は Why beauty is truth: The story of Symmetry(なぜ美は真実か――対称性をめぐる物語)で、エピグラフに掲げられたキーツの詩の「美は真なり、真は美なり」にもとづく。 著者のイアン・スチュアートは『世界を変えた17の方程式』や『パズルでめぐる奇妙な数学ワールド』などの一般向け数学書を書いている数学者だ。 著者はガロアの群論によって対称性がはじめて数学の問題になったと評価している。 ガロアより前、この質問(対称性とは何か)に対するどんな答えも、漠然として内容がなく、均衡の美といったような特徴に訴えるものだった。筋道立てて数学を進めていけるような概念ではない。だがガロア以降、そして数学界が彼の特定の応用法に隠された一般的な考え方を理解して以降は、疑う余地の

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  • 『なぜこの方程式は解けないか』 マリオ・リヴィオ (早川書房) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 題名は『なぜこの方程式は解けないか』となっているが、方程式にふれているのは9章のうち3~5章で、全体の1/3ほどにすぎない。それ以外はすべて群論と対称性の話で、量子力学から生物学、さらには宇宙論にまで話がおよぶ。群論はそれほど射程が広いのだ。 著者のマリオ・リヴィオは宇宙物理学者だが、『黄金比はすべてを美しくするか?』という一般向け数学書で国際ピタゴラス賞とペアノ賞を受賞していて、才筆には定評があるようだ。 群論に関する欄でとりあげなかったものも含めて何冊か読んだが、情報量は書が飛び抜けて多く、トリビアが機関銃のように連射される。対称性がテーマだけに章題を 対称性を見る心の目 と鏡字で記すなど遊び心にあふれている。 第3章「方程式のまっただ中にいても忘れるな」ではメソポタミア文明から16世紀のヨーロッパまでの方程式の研究史が駆足でたどられるが、タルター

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  • 『13歳の娘に語るガロアの数学』 金重明 (岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 方程式の研究は16世紀に急激に進んだ。まず3次方程式の解法が発見され、すぐに4次方程式が解かれた。次は5次方程式だが、多くの数学者が挑戦したもののどうしても解けなかった。そこで解けない理由があるのではないかという疑いが出てきた。 5次方程式が加減乗除と√では解けないことを証明したのはノルウェイのアーベルだが、どういう方程式なら解けるのかという証明がまだ残っていた。 方程式の問題を最終的に解決したのは17歳のガロアである。彼は単に方程式が解ける必要十分条件を示しただけでなく、証明の過程で無限の問題を有限のモデル(群)に落としこんで解決する手法を編みだした。これがガロア理論で、現代数学のもっとも強力なツールとなっている。 今日大学でガロア理論をとりあげる際は、アルティンの『ガロア理論入門』(ちくま学芸文庫)のように、まず抽象化された群論を教え、最後にその応用として

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  • 『ガロアの時代 ガロアの数学』時代篇&数学篇 彌永昌吉 丸善出版 - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →『ガロアの時代 ガロアの数学〈1〉時代篇』を購入 →『ガロアの時代 ガロアの数学〈2〉数学篇』を購入 百歳の天壽をまっとうした日を代表する数学者が93歳と96歳の時に上梓したである。こういう言い方は失礼かもしれないが、よくある回想録の類ではなく、原資料や最新の研究にあたって書かれた格的な著作である。文章はきびきびしていて無用のくりかえしはない。90代半ばにしてこれだけの文章が書けるとは。かくありたいものだ。 書はガロアの生涯を描いた「時代篇」と業績を解説した「数学篇」の2巻からなる。 「時代篇」は4章にわかれ、各章の末尾には簡単な年表がついている。 第1章「時代背景 政治史から」は25頁ほどの簡単なものだが、ガロアが在籍したルイ・ル・グラン校やエコール・プレパラトワール、入学を果たせなかったエコール・ポリテクニークについてまとめられているのはありがたい。 エコール・ポリテクニーク

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  • 『凍』沢木耕太郎(新潮文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 「闘うことの楽しみ」 手足の指の感覚がなくなっていく。休憩所に戻り手袋を脱ぐと、すぐにストーブにあたってはいけない。指を一所懸命こすり、感覚が少し戻ってきてから、遠くから少しずつストーブに近づいていく。酷い時には、先に雪でこすって感覚を戻してから、手足をこすり始める。その後は冷たいおにぎりと、熱々の豚汁が待っている。 小中学校でスキー授業の時に、軽い凍傷になりかけた時の記憶がよみがえってくる。当時は今のような優れた防寒着や防寒はなかった。長の先に唐辛子を入れたり、毛糸の手袋を二重にしたりしていた。それでも長く滑っていると、指先の感覚がなくなってくる。そうすると、まずいなと思いながら、指を出してマッサージをしたりする。先輩達に教わった方法だった。 こんな経験をしていても、沢木耕太郎が『凍』で描く山野井泰史と妙子夫の寒さとの闘いは想像がつかない。安易な言葉だ

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  • 『わたしのリミット』松尾由美(東京創元社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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    synapse_books 2013/11/08
    『わたしのリミット』
  • 『死にたくないんですけど――iPS細胞は死を克服できるのか』八代嘉美・海猫沢めろん(ソフトバンク新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 「生と死をめぐるおもしろ対談集」 まったく科学的な知識のないわたしでも、「再生医療」とか「ES細胞」とか「iPS細胞」とかは聞いたことがあるし、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したことや、iPSのiが小文字なのはiPodのようなキャッチーさを出すためだったらしいとか、その程度は知っている。 でも、いったいiPS細胞で何がどこまでできるのか、よくわかっていない。なんだかすごそうだ…ということしかわからない。「再生医療」というからには「再生」をしてくれるのですよね? でもなにを再生してくれるのでしょう。美肌とか?身体や内臓が部分的に欠損したときに、その代わりをつくってくれるのでしょうか? クローン技術とは違うの…ですか? あまりに質問がドシロウトすぎて、たずねることさえはばかられるというもの。とはいえ、やっぱりこの話題になっているiPS細胞

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    synapse_books 2013/09/26
    『死にたくないんですけど――iPS細胞は死を克服できるのか』
  • 『ペコロスの母に会いに行く』岡野雄一(西日本新聞社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 「可愛い老人の物語」 日は言わずと知れた長寿国である。しかし、同時にそれは老人大国である事も意味している。どんどん増えていく老人と比較すると、それを支える若者は逆に年年減少している。年金制度は破綻しかけ、日々の生活もままならない高齢者も多い。どのように生きていくかだけではなく、どのように去っていくかを考えさせる情報が溢れ始めているのも、当然のことであろう。 フランスには在仏北海道人会がある。私も北海道出身なのでお手伝いをしているが、かつて日の老人医療の専門家を招いて講演をしてもらったことがあった。種々の身につまされるエピソードを披露してくれたが、一番印象に残ったのは、介護してくれる人たちにできるだけ迷惑をかけない方法は何かという質問に対して「可愛い老人になって下さい」という答えだった。認知症であろうとアルツハイマーであろうと、お世話をしている人たちが可愛い

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    synapse_books 2013/07/29
    『ペコロスの母に会いに行く』
  • 『お墓に入りたくない! 散骨という選択』村田ますみ(朝日新聞出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 人生には、年を重ねてこそ初めてわかることがある。心意気はまだ若くても、体力の衰えを実感するようになり、心配事が増えてくる。二十代の頃には想像できなかった現実にいやおうなく直面させられるのだ。たとえば、なってみないと老眼の不便さはわからない。事中、自分がべているものに焦点が合わないのは、実にせつない。また「体力が落ちてくる」とはどういうことかにも思い知らせられる。駅の階段を駆け登るのも息が切れるし、ましてや1段抜かしで駆け降りて電車に飛び乗る、など今ではとてもできない。年金生活への漠然とした不安も無視できないし、認知症になったらどうしよう、という心配もある。 そんな心配のひとつに、お墓の問題がある。 一昔前までは「死んだらその家の墓に入る」という世間一般の流れがあった。子は親の墓に入り、よほどの事がなければ嫁も一緒に入れられる。「先祖代々の墓」であり、折々に

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    synapse_books 2013/07/12
    『お墓に入りたくない! 散骨という選択』
  • 『憤死』綿矢りさ(河出書房新社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 「手首をつかむ」 書巻頭の「おとな」は、四〇〇字詰め原稿用紙にして4枚足らずのごく短い作品である。この書評欄にまるごと引用するのも可能なほどの掌編。でも、実にパンチが効いている。これを立ち読みした人は、思わずを購入するのではないだろうか。 語りは幼い頃の夢の話から始まる。「何だあ、子供の夢かあ」と思う人もいるかもしれない。何となく展開が読めそうな気がする。きっと、少しだけ不思議で、少しだけ不安になるような、ほどほどに幻想的な、でも感傷的な余韻に満ちた終わり方をするんだろう、などと。実際、冒頭部では、幼い頃は「年月が過ぎてもいつまでも色あせず忘れられない夢があり、思い出と呼ばれる現実の過去と、ほとんど同じ量が頭にストックされている」というような一節があって、その後も、弟が寝る前にぐずったとか、自分が同じマンションに住む夫婦に預けられたといった、何となくもよも

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    synapse_books 2013/06/13
    『憤死』
  • 『エッチのまわりにあるもの――保健室の社会学』すぎむらなおみ(解放出版社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 「無条件の承認でもなく、まったくの否定でもなく」 このの著者であるすぎむらなおみさんは、高等学校に勤務する養護教諭(いわゆる「保健室の先生」)です。定時制高校に赴任し、なかなか心を開いてくれなかった生徒たちと文通を始めたことをきっかけに、生徒たちのさまざまな性に関する経験と悩みに直面し、How-To的な対処法がまったく通用しない中で一体どう考えたらよいのかと、著者は自問を重ねます。その成果がこのであり、取り上げられるトピックは、恋愛とセックスだけにとどまらず、同性愛、外国人生徒の経験する文化的摩擦、(恋人同士の間におこる)ドメスティック・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメント、レイプ、等々多岐にわたっています。 実は、私は当初軽く読み流すつもりでこのを手に取ったのですが、いつの間にか引き込まれ、最初から最後までじっくりと読みました。なぜそうさせられたの

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    synapse_books 2013/06/04
    『エッチのまわりにあるもの――保健室の社会学』
  • 『神の手』久坂部羊(幻冬舎文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

  • 『充たされざる者』カズオ・イシグロ(ハヤカワepi文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

  • 『20歳の自分に受けさせたい文章講義』古賀史建(星海社新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「今すぐ書くための文章術」 『20歳の自分に受けさせたい文章講義』では、プロのライターである古賀史健が、今までに培った文章を書くためのノウハウを、惜しげもなく披露している。非常に分かりやすく、時には思い切った切り口でヒントを与えてくれるので、文章が書けない、文章を書くのは苦手だ、と思っている人たちには、嬉しい一冊となっている。 まず「書けない」と思っている人たちを助けるために「頭のなかの『ぐるぐる』を、伝わる言葉に“翻訳”したものが文章なのである。」と解説する。これは谷川俊太郎等の文章の達人たちがエッセイで書いている、自己の内部に存在している言葉にならない未分化の概念を、言葉として表現する「産みの苦しみ」を指している。それを「翻訳」という分かりやすい言葉で説明しているのだ。 「翻訳」するための具体的な方法の一つが「聞いた話を“自分の言葉”で誰かに話す」ことだ。その過程

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    synapse_books 2013/06/04
    『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
  • 『発達障害 ヘンな子と言われ続けて――いじめられてきた私のサバイバルな日々――』高橋今日子(明石書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「発達障害当事者の語り手になるということ」 21世紀に入ったころから「発達障害」という言葉が人口に膾炙するようになってきています。教育を専門とする人や実際に経験した人などを除けば、内容的にはまだなじみの薄い言葉かもしれませんが、これは広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、等)、学習障害(LD: Learning Disorders, or Learning Disabilities)、注意欠陥多動性障害(AD/HD: Attention-Dificit/Hyperactivity Disorder)を含む総称概念です。これらの障害ないし病態の名前も、自閉症などを除けば、それほど古くからあったものではなく、総じて20世紀後半、とりわけ1980年代ごろから提出され目立つようになってきたものです。その結果、従来の障害区分・枠組みは見直しをせまられ、学校教育における適切

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    synapse_books 2013/06/04
    『発達障害 ヘンな子と言われ続けて――いじめられてきた私のサバイバルな日々――』
  • 『学校を災害が襲うとき 教師たちの3・11』田端健人(春秋社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「震災をプラスに変える」 あの日から二年が経とうとしている。今も引きも切らず出されている3・11関連の中で、書にめぐり会えた読者は幸せである。ここには、東日大震災の経験が明らかにし、今後も伝えていくべき何かが、記されている。それは、一言で言えば、人間の強さであり、もっと言えば、学校という場所によってそれが強められるということである。 書は、2011年3月11日、大地震と大津波に襲われた宮城県沿岸部の学校に勤務していた教員たちに聞き取り調査したインタビュー記録を、再構成したものである。著者田端は宮城教育大学准教授、学校教育の現場をとくにその哲学的側面に関して専門に研究している気鋭の学究である。普段から学校現場を訪れ、現場研究を行なってきた、そのスペシャリストが、2011年夏以降、津波被害の大きかった学校を回り、10名の教師に被災当時の様子を尋ねた「災害エスノグラ

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    synapse_books 2013/06/04
    『学校を災害が襲うとき 教師たちの3・11』
  • 『神様からの宿題 』山本育海 (著), 山本智子 (著), 藍原寛子 (著), 藍原 寛子 (編集) (ポプラ社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「それは、みんなへの宿題」 「病気とは人生の夜の側面で、迷惑なものではあるけれども、市民たる者の義務のひとつである。この世に生まれた者は健康な人々の王国と病める人々の王国と、その両方の住民になる。人は誰しもよい方のパスポートだけを使いたいと願うが、早晩、少なくとも或る期間は、好ましからざる王国の住民として登録せざるを得なくなるものである。」 ソンタグは『隠喩としての病い・エイズとその隠喩』でこのように言うのだが、この世のすべての住民が少なくとも一度は経験する(終末期)というだけでなく、この世に誕生するのと同程度に「病い」が平等な体験であるのなら、「病い」はこの世界から消えるのではないだろうか。 『神様からの宿題』。でもその宿題は筆者のいっくんが、一人で片づけなければならないという意味ではない。かのアマルティア・センの恩師でインド詩人のタゴールが語っていたことも思い出さ

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    synapse_books 2013/06/04
    『神様からの宿題』
  • 『科学の花嫁 ロマンス・理性・バイロンの娘』 ウリー (法政大学出版局) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 書はラヴレス伯爵夫人オーガスタ・エイダ・キングの伝記である。 彼女はある事情からファーストネームのオーガスタではなく、セカンドネームのエイダと呼ばれた。エイダは生前はバイロン卿の娘として著名だったが、現在では世界最初のプログラマーとして知られている(アメリカ軍が用いているAdaというプログラミング言語は彼女の名にちなむ)。 ロマン派のスーパースターだったバイロン周辺だけあって、何からなにまで極端で登場人物はみな異様に「濃い」。現代の感覚からすると引いてしまう話が多いが、書に書いてあることは事実として実証されたことばかりである。 エイダは生後一ヶ月にして有名人だった。母アナベラが出産早々バイロン邸を出て別居生活をはじめ、それをマスコミがおもしろおかしく伝えたからである。 当時は男尊女卑の時代だったので夫がどんなに浪費家で放蕩者であっても、は耐え忍ぶべきだとされた。

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    synapse_books 2013/06/04
    『科学の花嫁 ロマンス・理性・バイロンの娘』