→紀伊國屋ウェブストアで購入 「生と死をめぐるおもしろ対談集」 まったく科学的な知識のないわたしでも、「再生医療」とか「ES細胞」とか「iPS細胞」とかは聞いたことがあるし、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したことや、iPSのiが小文字なのはiPodのようなキャッチーさを出すためだったらしいとか、その程度は知っている。 でも、いったいiPS細胞で何がどこまでできるのか、よくわかっていない。なんだかすごそうだ…ということしかわからない。「再生医療」というからには「再生」をしてくれるのですよね? でもなにを再生してくれるのでしょう。美肌とか?身体や内臓が部分的に欠損したときに、その代わりをつくってくれるのでしょうか? クローン技術とは違うの…ですか? あまりに質問がドシロウトすぎて、たずねることさえはばかられるというもの。とはいえ、やっぱりこの話題になっているiPS細胞
最近の小学生向け恐竜図鑑を読むと、カラフルな羽毛に包まれた、ニワトリやダチョウみたいな恐竜がいっぱい載っていることに驚く。 羽毛恐竜。1990年代に羽毛の痕跡の残っている恐竜(獣脚類)が次々と発見されたことで、鳥と恐竜の距離はぐっと近くなった。一方で、かつて「鳥の先祖」だと言われた始祖鳥と現生鳥類の距離は遠くなる(本書の帯には、始祖鳥の骨格標本が「オレ、鳥の祖先じゃないんだって…」と悲しがり、その横に「どうしたんだ始祖鳥!」というよくわからないコピーがついている)。 そんなわけで、そろそろ鳥類学者が恐竜について語ってもいいんんじゃない? と誰か(著者自身だけかも知れない)が思って出来上がったのが本書だ(たぶん)。 というわけで、著者は高らかに宣言する。 現代社会において、鳥類が恐竜から進化してきたことを疑うことは容易ではない。というか、疑ってもらっては困る。なぜならば、この本は鳥類が恐竜か
2013年02月09日11:00 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 「わかる」と「よくわかる」の違い - 書評 - よくわかる初等力学 今回も献本御礼。 よくわかる初等力学 前野昌弘 ある意味、「よくわかる」シリーズで最も待たれていた一冊かもしれない。 これぞ、「今、そこにある物理」なのだから。 ほぼ同時期発売の「量子力学入門」とあわせて紹介(こちらもあわせて献本御礼)。 本書「よくわかる初等力学」は、「よくわかる電磁気学」、「よくわかる量子力学」に続く、@irobutsu理学第三弾。 目次 「よくわかる初等力学」サポートページ 「よくわかる初等力学」サポート掲示板 - いろ物Wiki 「よくわかる初等力学」シミュレーション 第1章 静力学その1―力のつりあいの1次元問題 第2章 静力学その2―2次元・3次元での力のつりあい 第3章 静力学その3―剛体のつりあい 第4章 運動の法則そ
2013年02月09日09:00 カテゴリ弾本書評/画評/品評 紹介 - 「中卒」でもわかる科学入門 「中卒」でもわかる科学入門 小飼弾 久しぶりに本を上梓しますのでおしらせを。 はじめに - はだかの私たち 「裸の王様」という童話は、現代では最も知られた物語の一つでしょう。本書を手に取る読者のみなさんももちろんご存知かと思いますが、本書にとってこれは格別な意味を持つ物語なので、Wikipediaからあらすじを引用します。 新しい服が大好きな王様の元に、二人組の詐欺師が布織職人という触れ込みでやって来る。彼らは何と、馬鹿や自分にふさわしくない仕事をしている者には見えない不思議な布地を織る事が出来るという。王様は大喜びで注文する。仕事場に出来栄えを見に行った時、目の前にあるはずの布地が王様の目には見えない。王様はうろたえるが、家来たちの手前、本当の事は言えず、見えもしない布地を褒めるしかない
2013年01月24日19:00 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 「人類、やるじゃない!」 - 書評 - 強い力と弱い力 小木田さんより再び献本御礼。 強い力と弱い力 大栗博司 404 Blog Not Found:何人たりとも斥けぬ力 - 書評 - 重力とは何かこうなると欲も出てくる。残り三力もお願いします。特に「強弱つけて」。 前回の「重力とは何か」から一年も経たないうちに強弱つけてくださるとは、先生、仕事早すぎ! 本書「強い力と弱い力」は、現在までに四種類見つかっている(物理的)力のうち、もっとも日常生活から「遠く感じられる」、「強い力」と「弱い力」を、数式を一切用いずに言葉で説いた一冊。 しかし、数式以上に著者が使わなかったのが、素人を煙りに巻くたとえ。例えばヒッグス粒子を水飴に例えるのがそれに相当する。「水飴」のどこが「素人騙し」なのかは本書をしかと読んでいただくとして、
2012年10月14日15:00 カテゴリ書評/画評/品評SciTech ナニワ研究道 - 書評 - 山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた 山中伸弥先生に、 人生とiPS細胞について聞いてみた 山中伸弥 / 緑慎也 出版社より献本御礼。 マウスでの確立(2006)から6年、ヒトでの確立から5年、初の一般書「iPS細胞 ヒトはどこまで再生できるか?」から4年。今では書店の本棚の一列ぐらいは埋まるほど出ているiPS細胞に関する書籍であるが、ノーベル賞受賞でこれが本棚一つ分ぐらいになるのは確実だと思われる。 しかし本人による語り下しはその中でも格別である。しかも本書に限れば、「上の」方にではなく「下の」方に。ずばぬけて平易なのである。オビに「中学生から読める」とあるが、これは誇大広告どころかずいぶんと控え目な表現。小学校高学年からOK。語り聴かせるのであれば低学年でも大丈夫。全年齢
2012年09月26日12:00 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 本当はガテン系の物理学 - 書評 - ヒッグス粒子の謎 出版社より献本御礼。 ヒッグス粒子の謎 浅井祥仁 こういう本を待っていた! まさに blog.livedoor.jp/dankogai/archi… に相当するようなこれぞが見当たらない。ワシが売るから誰か書いて!<@yukiskywalker @dankogai ヒッグス粒子あたりについて理解するとっかかりになるような新書があればご教授いただけませんでしょうか?— Dan Kogai (@dankogai) July 4, 2012 という一冊ではないか。 本書「ヒッグス粒子の謎」は、CERNの中の人、厳密にはCERNに出向している日本の実験物理学者が著したタイトルどおりの一冊。 ポイントは、著者が実験物理学者であるというところにある。 404 Blog No
2012年05月30日06:30 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 何人たりとも斥けぬ力 - 書評 - 重力とは何か 重力とは何か 大栗博司 その小木田さんより献本御礼。 大栗博司のブログ : 『重力とは何か』 何度目かのミーティングのときに、文系出身の小木田さんが、 「特殊相対論はもうわかったので、今日は一般相対論をきちんとわかろうと思います」 と切り出されたのには驚きました。しっかり「素人チェック」が入っています。 幻冬舎新書というのは、最も玉石混淆率が激しい新書レーベルなのだけど、これは玉。こうなると欲も出てくる。残り三力もお願いします。特に「強弱つけて」。 本書の主題「重力とは何か」に書かれた本は多い。世界一有名な物理学者アインシュタインの主業績ということもあり、レッドオーシャンどころか赤方偏移が進んで2.7Kになりそうなほど。その中であえて飾りっけゼロのタイトルを持って来た
元素をめぐる美と驚き 周期表に秘められた物語 著者:ヒュー・オールダシー=ウィリアムズ 出版社:早川書房 ジャンル:自然科学・環境 周期表に並ぶ元素は、科学の輝かしい成果のショーケースであると同時に、美術や歴史といった文化に印象的な足跡を残している。歴史から美術、文学までの幅広い領域を題材に、元素に関… 元素をめぐる美と驚き―周期表に秘められた物語 [著]ヒュー・オールダシー=ウィリアムズ 学生時代の私にとって、化学は苦手な教科だった。授業ではいつも、元素記号をぼうっと眺め、何のイメージも湧かないまま、先生の言葉を聞き流していた。今となって唯一記憶に残っている分子式は、水を表す「H2O」だけだ。 かくして敬遠してきた元素。これをめぐる美と驚きがあるというではないか。しかも自称元素コレクターの著者は、硬貨をぶつ切りして銅やニッケルを取り出したり、自らの尿を用いてリンを取り出そうとしたりする「
数学は相対論を語る、リリアン・R・リーバー著、水谷淳訳、1,995円(税込)、単行本、360ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年1月 数学には様々な効用があるが、その大きなはたらきのひとつは、「諦めることを教える」ことである。 高校時代を思いだしてほしい。sin、cos、tan の記号に拒否感を示し、やがて文系へ移っていった同級生がいなかっただろうか。また、微分、積分でつまずき、大学の受験科目から数学を外そうとする友がいたのではないだろうか。 大学に入ってからも、線形代数や高度な微積分で付いていけなくなったり、複素数や留数の定理で諦めた人も多いはず。もしかすると、それは、読者自身かもしれない。 そうなのだ。数学科の大学院に進学でもしないかぎり、数学は、どこかで「分かる」ことを諦めなければならない登山道のようなものなのだ。 Tech-On! は技術者を応援するサイトなので、大学のワ
単細胞バクテリア、謎のヴェンド生物、ホヤ、翼竜、最初の人類ルーシーの仲間、レバノンでイネ科植物を育てたナトゥーフ人。読んでいると、私の身体のうちをあらゆる生体が通り抜けていった。 たった五百頁(ページ)あまりの本に、ビッグバンから二〇一一年三月一一日までの人類の歴史が網羅されている。未来がまるごと投げ出されるように本書は終わるので、地球が有限であるという退け難い現実に改めて向かい合うことになる。例えば、石油エネルギーは「二〇三八年までに、採算の合う油田はなくなる」。古生代の生物たちの遺骸が、長い時間をかけてエネルギーに変じたが、あっという間に使い尽くされ、天然資源の枯渇という危機に人類は瀕(ひん)している。 人類は一万二千年前から「自然の進化をコントロール」するようになった。動物の繁殖と改良、食べられる植物の栽培によって、人間中心に考えれば、土地を管理し、文明を築き上げたとも考えられるが、
・ざっくりわかる宇宙論 前半はコペルニクス、ガリレオからアインシュタインまでの古典的宇宙論、後半は超ひも理論、ブレーン宇宙までの現代の宇宙論。数式はなしで、科学好きの一般読者のために書かれた入門書。 ビッグバンは宇宙のはじまりではなく、その前には量子宇宙があり、インフレーションが起きてビッグバンに至ったというのが定説になろうとしている。量子宇宙のはじまりにおいては時間が存在しないので、その「前」はない。こんな風に宇宙のはじまりを明解に説明してくれる。 著者は古典的宇宙論から現代の宇宙論への流れを「モノからコトへ」ととらえている。 「思想という側面から忘れてはならないのが、モノからコトへ、という大きな流れでしょう。コペルニクスの「天球」にあらわれているようなモノとしての時空は、まるで触って固さを確かめられそうな気がします。それに対して、光でさえ曲げてしまう、時空のゆがみというアインシュタイン
・ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか NHKの同名の番組がとても素晴らしかった。全4回で人間が人間的である理由について探究するドキュメンタリ。考古学・人類学・動物学・脳科学・心理学などの最新成果を総合して、人間性や社会性の起源を明らかにしていく内容だった。近日DVDでも出るだろう。 ・ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか http://www.nhk.or.jp/special/onair/human.html これはその書籍版。4部構成の番組の流れはほぼそのままに、研究の詳細、取材過程でのエピソードを加えて、文字で深く知ることができる内容になっている。 脳の進化が心の進化につながり、心の進化が社会の進化へと影響を及ぼしていく。キーワードは交換、飛び道具、農業、貨幣。どれも人間にしか見られない事象であり、複雑な心が発達していないと成立しないものであるということを、毎回、少し意外な展開
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