放浪のデニム―グローバル経済に翻弄(ほんろう)されるジーンズの世界 [著]レイチェル・ルイーズ・スナイダー[掲載]2009年4月26日[評者]石上英一(東京大学教授・日本史)■ジーンズで知る貧困・環境問題 私も若い頃から、すり切れるまではいては、ジーンズを楽しんでいる。だが1本のジーンズが、綿花栽培と綿摘み、綿繰り、綿糸紡績と染色、機織りと洗い・研磨などの加工、デザイン、縫製など多くの工程を経ていることをどれほど理解していただろうか。 綿は、ジーンズなど衣料品に変身するために、生産の工程ごとに国・地域を渡り動く。縫製にしても、パーツの縫製、パーツを縫い合わせる最終工程の縫製と、国を移して行われる場合もある。コスト削減のために、綿花栽培や縫製は、アフリカ・アジア・中南米の低賃金の地域で行われることが多い。 著者はそんなグローバル経済化した「デニムの道」を、数年にわたり精力的に取材した。 カス
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く